第37回:ドッキリ企画! ターゲットはメイン担当三島くん。彼以外は全員仕掛け人です!
「ワスレナグサ」 2017/1209/OA
脚本:石部花
出演:谷口/三島拓也・楓/内田ゆり
SE-1: C.I.―(夜の街の雰囲気)
SE-2: C.I.―(足音)
谷口: ………あれ?
楓さん?
寒いのにベランダで何やってるんですか?
風邪ひきますよ。
楓: あ、谷口くん!
来てくれてありがとう!
上がってきて!
NA: 学ラジ・ショートストーリー
「ワスレナグサ」
谷口: この人は大学の一つ上の先輩、大谷楓さん。
就職も決まり、あとは卒業するだけの彼女
だったけど、最近、急に大学を辞めて
遠くの街へ行くと言い出した。
SE-1: ―F.O.(夜の街の雰囲気)
楓: ベランダからね、空を見てたの。
向こうはこんなに綺麗に星が見えないんだ。
……この街の空、私好きだなー。
谷口くんも今のうちにちゃんと
見ておくといいわ。
谷口: ………わかりました、見ておきます。
楓 今までありがとね、ずっと傍に居てくれて。
それと、……谷口くんの気持ちに応えて
あげられなくて………、
たくさん傷つけて、ごめんなさい。
谷口: やめてください。
一緒に過ごせて、ぼくは嬉しかったですよ。
さ、そんなことより、引越しの準備を
手伝いに来たんです。
………でもこれ、ほとんど終わってませんか?
楓: うん………。
なんか、最後にちょっと会いたく
なっちゃったんだ。
わざわざ来てくれたのに、ごめんね。
谷口: ………楓さん。
楓: あのね、谷口くん、私たち、もう少し早く
出会ってたらきっと………、
谷口: 楓さん!!
………すいません。
おれ、明日朝早いんで、今日はもう帰ります。
楓: 谷口くん……!
谷口: 今まで…!
ありがとうございました。
さようなら、楓さん。
SE-3: C.I.―(ドアガチャ)
谷口: 数日後、楓さんはこの街を出ていった。
BG: C.I.―(ピアノ)
谷口: その日の帰り道、
ぼくは、楓さんが好きだと言った夜空を
見上げてみた。
星がきれいに見えると彼女は言って
いたけど、溢れ出る感情や想い出で
ぼやけていくぼくの視界には
星なんて一つもうつらなくて、
ぼくは少しも、好きになれなかった。
EDNA: END NA ~ 提供クレジット