このコーナーは、今年で開館30周年を迎えた大阪市立科学館の学芸員さんをゲストにお迎えして
日頃思っている様々な科学にまつわるギモンについてお答えいただくコーナーです。
30という数字にちなんで、1ヶ月間、毎週6つのギモン
つまり5週で30個のギモンを解決します!

今日ギモンにお答えいただいたのは、大阪市立科学館の学芸員
西野藍子(にしのあいこ)さん

画像: 10月10日 大阪市立科学館 赤maru Science 〜30のギモン〜

Q-1太陽はいつまで燃えているのでしょうか?

A-1大体、あと50億年くらいです。正確に言うと太陽は"燃えている"わけではなく、中心部で水素がヘリウムに変わる核融合反応が起こり、明るく熱く輝いています。この核融合反応が起こり始めた(=つまり太陽が輝き始めた)のは、今から46億年ほど前と考えらえています。中心部の水素がなくなるまで大体100億年かかると見積もられていますから、太陽の寿命は、あと50億年くらいと言えます。

Q-2「◯◯光年」の意味が感覚的には解るのですが、いまいちピンと来ません。
わかりやすく教えてください。

A-2宇宙の距離を表すとき、kmを使うととんでもなく大きな数字になってしまいます。その点、光は宇宙一スピードが速いですし、何と言っても星からやってくるのは光です。そこで、光が○年かけて進む距離のことを「○光年」として、距離の単位にしたのです。
ちなみに距離を時間で表すことはよくありますよね。例えば駅までの距離800mを徒歩10分とか。これを宇宙的な言い方にすると、「あの星までの距離はおよそ100兆km、つまり、光で10年かかる(=これを10光年といいます)」「徒歩○分」、のように、「光で○年」という言い方のほうが、数字も小さくできてハッピー!なのです。

Q-3地球の寿命はあとどれくらいですか?

A-3太陽の寿命はあと50億年くらいですので、地球も大体そのくらいと考えられます。太陽の最後はどんどん大きく膨らんでいって、温度が低い赤色巨星になります。そのとき地球は太陽に飲み込まれるか、太陽の光を失うかして、寿命を迎えます。
ただし地球上に住む生命の寿命は実はもっと早く、あと10億年くらいと見積もられています。現在も太陽はゆっくりゆっくり熱くなっています。あと10億年もすると、地球に届く太陽の光が熱すぎて、地球上に生命は存在できなくなると考えられるのです。

Q-4星の重さはどうやって測っていますか?

A-4星は、私たちみたいに体重計に乗って計る、ということはできません。そのため、さまざまな観測結果と理論による計算から、導き出されています。例えば重たい星のほうが引きつける力(=引力)が強く、まわりの星のスピードは速くなります。この理論を使って、地球の速さ(=つまり公転周期)から、太陽の重さが分かるのです。

Q-5星の色は、どうして決まる?

A-5太陽と同じように自ら輝く星(=恒星)か、地球のような惑星かによって理由は異なります。まず恒星は、その星の表面温度によって決まります。表面温度が高い順に、青白、白、黄色、オレンジ色、赤色に輝いて見えます。例えば太陽の表面温度は約6,000度で、黄色っぽい星の仲間です。オリオン座の1等星リゲルは表面温度が約1万度もあり、青白く見えます。一方、さそり座の1等星アンタレスは表面温度が約3,000度と低く、赤っぽく見えます。また、惑星は表面の物質の性質(色)によって決まります。

Q-6星が爆発したり並び方が変わったりすることで星座がなくなることってありますか?
過去になくなった星座とかあるんでしょうか?

A-6星にも一生があり、生まれては死を迎えます。星が爆発して見えなくなることはあり得ます。また、星はそれぞれ固有運動をしていて、地球から見ると星の並び方が変わることもあります。ただし、こうした変化にはとても長い時間がかかります。星の一生は短いものでも一千万年ほどですし、固有運動によって星の並び方が変わるのも数万年単位のお話です。星座の歴史は、人類の歴史として考えるととても古いですが、それでも5,000年ほどです。そのため、これらの理由によって星座の形が変わったり、なくなったということは、まだありません。

(ただし過去に作られた星座で、現代では使われなくなった星座、というものはあります。)

西野さんありがとうございました!

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採用された方には、大阪市立科学館のペア招待券お送りします〜

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