このコーナーは、今年で開館30周年を迎えた大阪市立科学館の学芸員さんをゲストにお迎えして
日頃思っている様々な科学にまつわるギモンについてお答えいただくコーナーです。
30という数字にちなんで、1ヶ月間、毎週6つのギモン
つまり5週で30個のギモンを解決します!

画像: 10月24日 大阪市立科学館 赤maru Science 〜30のギモン〜

今日ギモンにお答えいただいたのは、大阪市立科学館の学芸員
渡部義弥(わたなべよしや)さん

Q-1なぜ地球だけにさんそがあるの?

A-1まず、実にびっくりすることを言わないといけません。
さんそは、地球だけでなく、宇宙中にあるのです。 太陽にも さんそがあるし、月にもあるし、金星にも、木星にも、星座を作る星にも、星のない宇宙空間にも、さんそがあることがわかっています。ところで、さんそは隠れるのが得意なんですよ。さんそといえば、空気の中にあると思いますよね。実は水は、さんそと水素がくっついているのです。
また、ガラスは、さんそとケイ素がくっついています。
金星や火星の空気は、二酸化炭素ですが、これもさんそと炭素がくっついたものです。
こうした隠れたさんそは、エネルギーがあれば、取り出すことはできます。将来は火星の空気や地面にある、さんそを取り出して、暮らすことができるようになるかもしれませんね。

Q-2月が無くなると、地球はどうなりますか? 例えば、地球の公転速度が変化する?

A-2月がなくなると、地球の自転速度、つまり1日の長さの変化が小さくなります。
今は、月がいつもブレーキをかけているので、年々1日の長さが長くなっているのです。

1億8千万年後には1日は25時間になります。また、月のために大潮や小潮が起こります。大潮の時に海亀が産卵するのですが、月がないと、そうした条件が色々変わりますね。あちこちに海につからない場所が増えてしまいます。天文ファンとしては、月食や日食というショーが見られないし、月のクレーターを見てもらって喜んでもらえなくなります。
そもそも、ひと月という単位もなくなるし、お月見もできないし、
わー、影響が多すぎますね。無くなって欲しくないです!

Q-3渡部さんが今まで見た中で1番忘れられない「星の絶景」はどこですか?!

A-315年前に、アフリカ沖のバードアイランドという無人島で見た、日の入りとそのあとの月と金星、天の川です。水平線まで星がびっしり見えて感動的でした。
年々目が老化しているので、あれ以上のものは見られないと思います。若いうちにできるだけ星を見た方が良いですよ。それから2012年の金環日食、科学館でイベントをして、7000人の人と一緒に見上げましたが。空にリング状の太陽があるのは、印象的でした。今年は12月26日に日食があります。シンガポール、ボルネオ、フィリピン、グアム島では金環日食になります。

Q-4偏光ステンドグラスの理由

A-4科学館の展示に偏光ステンドグラスというのがあります
何もない透明のガラスが、偏光板という透き通った板を通すと、色がついて見えるというものですね。しかも、偏光板を回転させると色が変わって見えます。不思議ですね。
この実験は、セロテープと、偏光サングラスでもできます。通販でも偏光板で買えます。セロテープは、通す光の色を分ける性質があります。ただ、目で見ると、それが混ざって入るので、もとの色に見えるのです。ところが偏光板というふるいがあると分かれた色がそのまま見えてしまい、色付くのです。

Q-5地球はなぜ、ブラックホールにすいこまれないのですか?

A-5ブラックホールはたくさん見つかっていますが、地球のそばにあるブラックホールはありません。近くにないので、すいこまれないのです。今、見つかっている、一番近いブラックホールは、いっかくじゅう座Xー1で、距離は3000光年。太陽までの2億倍も遠くにあります。

Q-6私は将来、学芸員さんになりたい!と思っています。科学館で勤務していて良かったこと・嫌だったことはなんですか?

A-6学ぶのが仕事であることです。そして、学んだで価値があると思ったことを皆さんに伝わって、喜んでもらえ、学習したいと思ってもらえることです。
だから、あなたの質問もとても嬉しいです。嫌というか、残念だなあと思うのは、そのうちこの仕事を辞めなくてはいけない日が来ることです。

渡部さんありがとうございました〜!

リスナーの皆さんも疑問に思うことがあったら赤maruのリクエストフォームからエントリーしてください!

そして!!採用された方には、大阪市立科学館のペア招待券をプレゼントします!!

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