このコーナーのテーマは「色」です。
毎月お題として紹介する3色の中から、1色お好きな色を選んでいただき、
その「色」について400字(原稿用紙1枚)程度で、文章を募集します。
「ことば結びパレット」第5回のお題は…!!!
「銀」色、「黄」色、「深緑」色の3色でした!!
投稿いただいた皆様、ありがとうございました!!

画像: 「ことば結びパレット」第7回

「深緑色」・・大阪府 の みとひとみ さんの作品

初めて編んだセーター。
その色は深緑色。はやく仕上げたくて、選んだのは太め目の毛糸だった。誰のためでもなく自分のために編む初めてのセーター。編む作業が楽しいと言うより仕上げて袖を通すのが楽しみだった。慣れない作業でかつ一生懸命だ。否が応でも肩に力が入った。そう、そして仕上がったそのセーターの肩にも力が入っていた。必要以上にしっかりと目が詰まり、まるで鎧のようなセーターが出来上がった。
あったかい以前に重い。纏うというより、肩に何かを乗せている感じ。着れない。これは着れない。
「お母さん!コレもういいわ。もらって。あげる。ほどいて使っていいよー。」母に託した。
ある日、帰宅すると、それが大きな大きな深緑色の毛糸の塊になっていた。遠慮ない母は仕事がはやかった。これは何十年も前のエピソード。その母は今年持病で84歳で亡くなった。
まだ、終えきらない遺品整理。
あの深緑色の塊は出てくるだろうか.....

「銀色」・・・豊中市 の ラディッシュ さんの作品

「一枚持って行く?」
私の髪を切りながら店長が言う。
学生の頃から通っている近所の美容院。
鏡に映る店長はあたまにバンダナ、メガネに髭、
ぽっこりお腹に革のエプロンを着けている。
お客さんがいないときはこの格好で工作する姿が外から見える。
店の中には手作りのアクセサリーたちが飾られている。
ちょっと変わった近所の美容院。
そのせいかあそこの店長ってどんな人と聞かれることがある。
そんなとき私はゼペットじいさんと答える。
私はここで革細工を教えてもらった。
そしてお互い好きな映画や音楽の話をいっぱいしてきた。
そんな店長が引退する。
今月で店を閉めるので今日は私の最後のカットの日。
目の前には業務用の鏡が3枚並んでいる。
母やずっと前に亡くなった父を映したことがある鏡。
いま店長と私を映している鏡を私の部屋に置かないかと店長は言っている。
40年間この美容院を訪れた沢山のお客さんを映してきた大きな鏡。
怖いから、いらないです。

「黄色」・・・豊中市 の 千里のよっちゃん さんの作品

 主人は学んだわけでなく、生業にしていたわけでもないのに料理がうまい。中でもオムレツは絶品だ。ホテルの朝食ブッフェでコック帽を被ったシェフが作ったものに負けず劣らずだ。フライパンにバターを落とし、といた玉子を流し入れ菜箸で撹拌。え?もう包むの?というタイミングで成形の仕上げにかかる。とにかく手際が良い。
白いお皿にオムレツの黄色はよく映える。美しい形に仕上がったオムレツにフォークを入れると中からトロリとした半熟の玉子が流れ出す。見た目も味も申し分ない。
 私も主婦のはしくれと、挑んでみるが、手際が悪く中まで火が通ってしまったり、くるめないままスクランブルエッグになってしまう。
 息子も娘も独立し、たまに帰省する際には食べたいものを尋ねてみる。すると二人とも必ず「パパのオムレツ」と即答だ。母親としては意気消沈であるが、いたしかたない。だってうまいんだもん。

画像: 「黄色」・・・豊中市 の 千里のよっちゃん さんの作品

「ことば結びパレット」第7回のお題は…!!!

「白色」、「水色」、「薄橙色」の3色。
1色につき400字程度でお願いします。
色そのものについて書いてもOKですし、
イメージとして結びついた先の色として書いていただいてもOK!!
皆さんの描く「色」をぜひ文章で表現してください!!
第7回〆切は、1月27日(水)とさせていただきます。
作品を投稿いただいた皆様、本当にありがとうございました!!
次回も皆さんのご参加お待ちしております!!

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