今日は小説投稿コーナー「3枚チャレンジ」
第2回優秀作品の発表を行いました。

画像: 3枚チャレンジ 第2回

湊さんと、塩田さんがそれぞれ提示するテーマに沿った小説、
またはエッセイを原稿用紙3枚、1200字程度にまとめて
投稿していただくコーナーです。
テーマごとに優秀作品を選び、今回も角川春樹事務所のPR誌
『ランティエ』に掲載されます!(掲載率は2倍!)

湊さんのお題…「占い」;京都市中京区のジャミロワクイさんの作品

 おはようモーニング様、いつも楽しく番組を見させていただいております。特に私は毎日6時58分からのムーランルージュ長良川先生の星座占いが大好きで、私は山羊座なんですけれども、いつも、山羊座のラッキーアイテムを身につけて出かけることにしております。しかしながら、腕時計とか靴下とか言われれば用意するのは簡単なのですが、三ヶ月ほど前に法衣がラッキーアイテムだったことがありまして、さすがにこれには困りました。幸い我が家は二軒隣がお寺ですから、大江さんっていうんですけれども、お寺は朝が早いですから、そこまで失礼にあたるまいと思いながら、7時すぎに門を叩いてみたところ、大江さんはしっかりと起きておられまして、ご近所付き合いもあるものですから、多少怪訝な顔をされましたけれども、檀家の方がそうまでおっしゃるならばということで、その法衣をお借りして、気分は白河法皇ってなもんでですね。私が思いのままにできへんのは鴨川の水と山法師と賽の目くらいのもんじゃい!と妙に強気になれたような気がします。それだけやなしに、法衣の、あれは何ていうんですかね。内ポケット?袖の下?わかりますよね。あそこに札束が入ってたんです。金一封。ああ、法衣がラッキーアイテムってのはこのことやったのかと納得いたしまして、その日以降は、それまで以上にムーランルージュ先生の発表する山羊座のラッキーアイテムを忠実に身につけようと心に決めたんですけれども、法衣のときはたまたま近所にお寺さんがいはったからよかったものの、小田和正の「ラブストーリーは突然に」の8センチCDとか、朝の6時58分に言われましても、正直厳しいんです。これも大江住職に問い合わせてみましたけど、住職も最近はSpotifyでしか音楽を聴かないらしく、昔は持ってましたけど今はどこ行ったかわかりませんというわけで。つまり、せっかくラッキーアイテムを身につけたいのに、視聴者にしてみたら、発表の仕方がラブストーリーよりも突然なんです。確かにミリオンセラーを記録した大ヒット曲ですけど、いまも肌身離さず持ってる人なんかそうそういません。そこで私、考えまして、ムーランルージュ先生が明日は何を山羊座のラッキーアイテムにするかを、前の日の夕方までに予想することにしたんです。これまでの傾向とかも分析しまして、緻密な計算を重ねていったところ、この1週間ほどは、ムーランルージュ先生の発表するラッキーアイテムと私が予想したラッキーアイテムが百発百中的中しているんです。つまり、いまの私はムーランルージュ先生と同じクオリティの占いができるんです。そこでものは相談なんですが、私ならムーランルージュ先生のギャラの半分で同じことができるので、あの仕事、私にさせてもらえませんかっていう話なんです。ちなみに今朝のラッキーアイテム「原稿用紙3枚」もちゃんと当てました。よろしくご査収くださいませ。 

塩田さんのお題…「社会科見学」;北海道道東のリーさんの作品

『社会科教諭の社会科見学』
ここは北海道のある町の農協。
今、酪農家青年部の会議が行われている。
「ということで賢(けん)君、今年頼んだよ。」
青年部長に頼まれ賢は張り切って承諾の返事をした。
 この町では毎年五月に小学三年生が牧場の見学をすることになっている。
 青年部員の牧場を交代にまわし、今年は賢の番。自分の順番が来るのを心待ちにしていたのだ。
 賢は子どもの頃に自分が社会見学に行ったことを思い返した。
 神戸市出身の賢は、市役所や県庁、郵便局、下水処理場、靴工場や製菓工場、ジュースなどの紙パック工場などどの職場や工場も日中に人が働き機械が動いていたので、仕事の様子や物が作られる様子を見学できた。しかし賢の牧場では、酪農家ならではの搾乳や哺乳や給餌作業は早朝と夕方で、小学校の授業時間ではない。作業の見学ではなくただ牧場を見るだけになりそうだ。
 賢は次の日から早速準備をはじめた。搾乳や哺乳や餌あげ作業の写真を撮った。
 迎えた当日、まず子どもたちに事前に撮った搾乳や哺乳や餌をあげている時の写真を見せ一日の仕事の流れを説明した。
 次に放牧している牛たちを見せ、仔牛や若牛を飼育している牛舎を案内し実際に牛に触れてもらった。トラクターでの餌の準備作業も見てもらい、最後に搾乳機に触れてもらいながら搾乳の説明をした。
 子どもたちは、牧場の仕事を楽しく理解できたようで笑顔で帰って行った。
  賢も子どもたちの様子を見て安心した。と同時に、楽しみにしていた時間が終わり寂しくもあった。
 次に順番が来るのは何年後だろう……。
 それから二ヶ月後の七月下旬。学校が夏休みに入ってすぐのある日のことだった。
 昼食を終えた頃、玄関のチャイムがなった。
 賢が扉を開けると懐かしい姿があった。
「えっ、先生。ご無沙汰しています。」
なんと、高校時代の社会科の先生だった。
 高校を卒業してから10年以上、年賀状のやり取りしかしていなかった先生がはるばる神戸からマイキャンピングカーで来てくれたのである。
 あまりにも突然の訪問に賢はとても驚いた。そして、それと同じくらい嬉しかった。
 先生は社会科の先生だけあって旅行が大好きで、毎年休みに入ると旅をし、高校時代も土産話をたくさんしていた。
 今年は北海道一周で賢の牧場にも寄ってくれたのだ。
 賢は先生に牧場を案内した。先生は大変興味を持ち、仕事時間になってもずっとおられた。
 仔牛の哺乳、放牧していた牛を牛舎に入れる作業、餌やり、搾乳も体験し、とうとう夕方の仕事全てを見学して満足そうに次の目的地へと向かった。
 年が開け、先生から年賀状が届いた。
 新年は丑年で賢の牧場の牛の写真が使われていた。
 そして、地理の授業の酪農の単元では熱が入り他の単元よりも時間をとってしまうと書いてあった。が、授業をきく生徒の目が輝いていることも書いてあり賢は嬉しかった。
 実際に見学したのは社会科教諭であったがその先生が熱く詳しく伝えることで、生徒たちにとっても遠く離れた社会見学になったのではないだろうか。と、案内人の賢は大満足だった。

次回も投稿お待ちしています!

第3回のテーマは…
湊さん・・・「ケーキ」
塩田さん・・・「雨」
〆切は、6月21日(月)とさせていただきます。
どちらかのお題を選んでいただき、原稿用紙3枚程度(1200字前後)で
作品の執筆をお願いします。
作品は小説でもエッセイでも、形式は自由です。
みなさんからの投稿お待ちしています!

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