現役関大生が月に一回お届けしている「防災イノベーションのヒントを探る」コーナー、第5回は去年2022年12月25日(日)に放送しました。今回は、商学部4回生の海部くんが収録に参加しました!その内容をもう少し丁寧にご紹介します!番組をお聞きになられた方も、お聞き逃しになられた方も、是非、ご一読ください!

これまでのおさらい

防災・減災ビジネスにおける現状の課題は、どのような生活者を念頭に置くのかによって変わってきます。私たちは生活者を防災意識の低い人と高い人に単純に二分化するのではなく、さらに細かく5段階に分けて、生活者層ごとに現状の課題を検討しています。12月の放送では、防災意識の高い層のなかでも、「周囲に発信はしないが、自分自身はしっかりと防災している人びと」にターゲットを絞りました。

「ちゃっかり防災きっちりさん」とは?

今回、注目した人びとの中には、子供がいる主婦や、職場の安全管理を担当している社員などいろいろなタイプの人びとがおられます。私たちはこのような生活者層を「ちゃっかり防災きっちりさん」と命名しました。「ちゃっかり防災きっちりさん」は日常生活においてどのような立場で防災を行なっているのかによって、かなりさまざまなタイプの人びとがおられます。たとえば、子供がいる主婦は、家族を守ために家事を行うのと同じように、防災を行っています。また、職場の安全管理を担当している社員は、その他の業務を行うことと同じように防災を行います。

「ちゃっかり防災きっちりさん」へのアプローチ方法

では、この生活者層に対しては、どのようにアプローチしていけるでしょうか。「ちゃっかり防災きっちりさん」は、タイプによってどのような防災行動を行なっているのかは違っているものの、何かしら既に防災をしているという共通点があります。私たちはそこに注目しました。彼らには行動しようという意識があり、また、行動してきた実績もあります。ですので、既にやっていることをさらに洗練してもらうというアプローチもあり得ますし、やっていない事に新たに取り組んでもらうというアプローチもあり得ると考えました。
これまでに取り組んでいる防災は、組織内における役割や立場によって異なります。例えば、同じ家族という組織で考えても、食事の準備をするメンバーは、家族のために災害に備えて食料や水を備蓄しているかもしれません。また、日曜大工をするメンバーは、自宅の家具配置を変えたり、家具固定を行ったりしているかもしれません。こうした役割や立場によって、今後さらにどのような防災に取り組む余地があるのかも変わってくるでしょう。組織における立場や役割に注目すれば、このような人びとへのアプローチについて具体的に考えやすくなると思います。

普通を変える

「ちゃっかり防災きっちりさん」は5つの生活者層の中で最大のボリューム層です。彼らのさらなる行動変容は、世の中の「普通を変える」ことに繋がる可能性を秘めています。「普通が変わる」と防災をしない人びとも知らず知らずのうちに防災価値の恩恵を受けることができるようになるでしょう。たとえば、現状では家具・家電を購入する際に固定器具を一緒に購入することが普通ではないため、販売員から固定器具も購入するかと聞かれます。しかし、この生活者層の多くが固定器具を合わせて購入するようになれば、販売員は「最近、固定器具を同時に購入されるお客様が多いのでお付けしております。お客さまにもお付けしておきますね。」となるでしょう。この生活者層へのアプローチの最終ゴールは「普通を変えること」なのかもしれません。

画像: 収録に参加した海部君

収録に参加した海部君

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