第51回:Golden Eggs7期生B班、ボツ脚本救済企画!〜ボツな女たち編〜
「オレオレ」 2019/0323/OA
脚本:湯野有稀
出演:男/中島康希・婆/湯野有稀・友/濱重朋央
SE: C.I.―(街の雰囲気)
友: あ、タカシそういやさ、オレオレ詐欺ってあるじゃん。
男: あぁ、あるね。
友: あれさ、未だに引っかかる人多いんだって。
男: へぇ。
SE: ―F.O.(街の雰囲気)
NA: 学ラジ・ショートストーリー「オレオレ」
男: オレオレ詐欺か。うちの婆ちゃん、大丈夫かな。
よし、ちょっと訓練がてら電話してみるか。
SE: C.I.―(着信音)
婆: はいもしもし?
男: あ、もしもし婆ちゃん? おれおれ。
婆: は? だれ?
男: だから俺だって、俺。孫の声も忘れた?
婆: 孫って………、タカシかい?
男: そうそう! タカシ!
(んー、やっぱり自分から孫の名前
言っちゃうか。でもちょっと疑ってるか?)
あのさ婆ちゃん、ちょっと相談があるんだけど。
婆: ちょっと待ちなさい。本当にタカシなのかい?
男: (お、いいぞ婆ちゃんその調子!)
うん、タカシだよ。婆ちゃんの孫のタカシ。
婆: あんたがタカシなわけないじゃないか。
これ、ひょっとしてあれじゃないのかい?
オレオレ詐欺とかいう。
男: (よかった、うちの婆ちゃんは大丈夫そうだ。)
ふふふ、婆ちゃんごめんね、実は最近また
オレオレ詐欺が増えてるっていうからさ、
婆ちゃんは大丈夫かなって思って電話してみたんだ。
婆: 何言ってんだい?
詐欺だとバレたからってそんな言い訳。
警察に電話するからね!
男: いや、ほんとだって。試すようなことしてごめんね。
婆: あんたがタカシだって言うなら、今、うちに
来てるタカシは誰なのさ?
男: ………え?
SE: C.I.―(不気味な雰囲気)
婆: (オフ)ねぇタカシ! 今、あんただって
言う人から電話がかかってるんだけどね!
何とか言ってやって………、
え、ちょっとタカシ? どうしたんだい、
そんなロープなんか持って………、
あーー!!
SE: C.I.―(電話切れる)
男: 昨今、犯罪の手口は多様化している。
このストーリーはもちろんフィクションである。
しかし、凶悪犯罪から身を守るためには何が
必要か、今一度考えてみてほしい。
あなたの身に起こるのは、明日かもしれない
のだから………。
ENDTM~END NA~提供クレジット