毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。
DJの”おまり”こと三浦茉莉が大阪府の各市町村を現地取材したり、市町村の方から教えてもらったりしながら、街の隠れた魅力を発信します!
7月にご紹介するのは豊能町。
大阪の北部に位置する豊能町は、自然に恵まれた環境ながら大阪のベッドタウンでもあり、『里山』と『都会』が調和する町。東地区に昔ながらの農村風景が広がり、西地区は大阪のベッドタウンで人口のおよそ8割が住んでいます。
最終回を飾るのは「とよの就農支援塾」と「豊能町直売所 志野の里」。

「とよの就農支援塾」は豊能町内で就農を目指す方を対象に、町内の農家や農業指導専門家等技術指導の下で農業技術・経営に関する研修を行い、必要な技術・知識を習得できるようにする塾だそうです。

月に一度の農業実習と座学をベースに、月に数回は先輩農家さんといっしょに畑を手入れし、野菜を育てています。期間は1年間ですが、受講生からサポーターの立場に変わり、3~4年はともに過ごす人も多いとのこと。
こちらの大きな特徴は、豊能町在住or豊能町に移住予定でなくても参加できること。受講生は40代以降がメインで、別の仕事をしながら兼業農家を目指す人が多いそうなので、他の地域に住んだまま豊能町で農地が借りられるというのは、新規就農者にとっては、とてもメリットが大きいですね。

取材に伺った日はビニールハウス内でミニトマトを収穫して、豊能町の直売所「志野の里」に出荷。畑の草刈りをして、ヤーコンと里芋に水やりをしていました。和気あいあいとした雰囲気で、汗をかきながらも、みなさんイキイキとした表情が印象的でした。

何人かの受講生にお話を伺いました。
今、SEをしている男性は「僕は高槻市出身なので北大阪で農業をしたいと考えていて、見つけたのが豊能町でした。とよの就農支援塾は1年通うと農地を斡旋してもらえるのがありがたい」と言い、やはり新規就農者にとって、農地を紹介してもらえるのが魅力のよう。
「今はまずは手がかからない作物・イモ類の栽培を覚えて、焼きいもにして売り歩くのはどうかなと考えています。でも一番の目的は農家の地位向上。食べ物って、みんなにとってとても大事なのに“農家はもうからない”というイメージがあるのを払拭したいですね」と夢を語ってくれました。
また「自分の職業とは無関係の方と知り合いになれるのがうれしい」「みんな意識が高く、志も高い。同じ目的を持って集まった仲間との交流が刺激になっています」「熱心に教えてくれる先生ばかり」など、ここでの出会いを大きな収穫だと感じている方も多くいました。

自然豊かな場所で子育てがしたいと、30年前に豊能町へ移住してきた方には、豊能町の好きなところも伺いました「大阪市内から引っ越してきました。街は便利ですが、子育てをする場所ではないという感覚があって、知人の紹介もあり豊能町へ。自然豊かなので、子どもは学校帰り、カブトムシや亀をつかまえて帰ってきたりしていました。今はわからないですが、うちの子どもた小さい頃は、小学校の運動会で同級生の家族といっしょにごはんを食べたり、学校の先生が川遊びに連れていってくれたり。昔ながらの交流がある。僕は大阪市内で育ったからこそ、こういった昔ながらの交流がいいなと思いました。空気もきれいで、体調不良が治ったという話もよく聞きし、子育ての意識が高い方も多い。もっとたくさんの方が、豊能町に移り住んできてほしいなと思っています」。

就農支援塾の方々にインタビューした後は、直売所「志野の里」へ。

とよの就農支援塾が出荷したプチトマトが並んでいました。この直売所の野菜はどれも生産者の名前が明記されています。自分の名前で野菜を販売できるのもモチベーションアップにつながっているようです。
1ヶ月にわたり取材してきた豊能町。大阪市内から車でたった30分程度なのに、空気がきれいなのを実感でき、時間の流れもゆるやかに感じる、のどかな街でした。
来月8月のご紹介は河南町です。お楽しみに。