なんMEGA!チームが興味をもった情報についてレポートする
「MEGAアクティブ!」
今回は山の日という事で、

登山の楽しみ方について!
関西を中心に山岳ガイドとして活動している
山岳ガイドの笹倉孝昭さんにお話しをいただきました

画像: MEGA!アクティブ山岳ガイドの「笹倉孝昭さん」

山岳ガイド歴20年以上の笹倉さんですが、
普段どんな山をガイドされているんでしょうか?お好きな山域はありますか?

神戸が地元なので、六甲のいろんなコースをガイドしたり、
剱岳や八ヶ岳などのバリエーションルートをガイドしています。
どの山域も個性があって選ぶのは難しいですが、
やはり地元の六甲、八ヶ岳、立山連峰ですね。

普段、特別なトレーニングをしていなくても、登山はできるものなんでしょうか。

歩くコースにもよりますね。
高低差がそれほどなくて、行動時間が短いコースなら
時別なトレーニングはしなくても楽しむことができます。
トレーニングはしないよりもしたほうがよいです。
目指す山に合わせてトレーニングを行えば、
登山にゆとりがでてくると思います。

初心者が標高の高い山に出かけても大丈夫ですか?
初心者向けの山の特徴などがありましたら教えてください!

初心者向けの山の特徴は?
標高が高くなると酸素が薄くなります。
酸素が薄くなると、頭痛や眠気など
体調が悪くなったりすることがありますが、
これが高山病です。
初心者はその症状の見分け方や緊急度がわからないので、
山岳ガイドや経験者の人と一緒に行くことをお薦めします。

初心者に適している山は、登山口や下山口がわかりやすく、
標高が2000mよりも低いメジャーなコースが良いでしょう。

初めて登山靴を買うなら、やはりハイカットが良いでしょうか?
運動靴との違いはなんですか?

登山用品店で販売されている登山靴は、
ハイキングブーツ、トレッキングブーツ、
マウンテンブーツに分類することができます。

標高2000mを越える山で雪渓や岩場が出てくるコースを
目指すならマウンテンブーツがお薦めです。

標高2000mを越える山でも雪渓や岩場が出てこないコースや
1000〜1500mくらいの山であればトレッキングブーツ。

1000mよりも低く、整備された登山道ならハイキングブーツがよいでしょう。

これらはいずれもハイカットブーツです。
つまり同じハイカットでもカテゴリーが違うと
ソールのブロックやフリクション、ブーツの剛性(ねじれにくい)などが違ってきます。
ローカットの靴はアプローチシューズとトレイルランニングシューズに分けることができますが、
アプローチシューズはクライミングエリアへのアプローチに使うためのもので、
トレイルランニングシューズはトレイルランニングをするためのものです。
どちらも荷物を背負って、変わりやすい天気の登山にはあまり向いていないので注意が必要です。

運動靴との違いは、ソールの固さ、頑丈さ、アッパーの頑丈さです。
登山は歩くコースの表面が凸凹していたり、石があったり、川を渡ったり、
雨が降ったりするので、足を守るための機能を備えたブーツが必要になります。

少し経験を重ねると荷物の軽量化をしたくなってきますが、
笹倉さんはUL(ウルトラライト)は意識されてますか??

私が登山を始めた頃は、重くかさばる装備しかなかったので、
誰よりも重い荷物を背負えること、そしてその上で
誰よりも早く歩けることを目指していました。
そんなこともあって、軽量化はあまり意識していません。
無駄なものを持たずに効率よく装備を運ぶというくらいの軽量化はしています。

山は涼しいとはいえ、登山道でも厳しい暑さを感じる機会が年々増えているような
気がします。登山中はどんな暑さ対策をされていますか?

山といえども、年々気温が上がってきていて
暑さ対策は不可欠な時代になっていると言えます。
暑さによるリスクは熱中症です。
つまり暑さ対策は熱中症対策と言い換えてもいいでしょう。

熱中症予防は、まず水分補給と電解質補給を挙げることができます。
飲み物を用意する場合に大切なことは、「量」と「質」ですが、
まず「量」について説明しましょう。
登山で喪われる水分量は、体重×時間×5が目安です。
例えば体重55kgの人が6時間の登山をするとすれば、
55×6×5 1650cc、つまり1.65Lになります。
これが必要な「量」です。

次に「質」ですが、これは体が吸収しやすい水分を準備しておくことです。
厚生労働省や日本スポーツ協会では、屋外で1時間以上運動する場合は、
4〜8%の糖分、0.1〜0.2%の塩分を含んだ飲み物を摂ることを推奨しています。
これはわかりやすく言うとポカリスエットなどのスポーツドリンクです。
まとめますと、熱中症予防には、体重×時間×5で
求めた量のスポーツドリンクを持って行くことになります。
また、もうひとつ加えるならば体温を下げるために冷やしたゼリーなどを
保冷バッグに入れてもっていくのも良いと思います。

山岳ガイドとして山に入ることが多いかと思いますが、
疲れを次の日に残さないコツがあれば知りたいです

日頃からの体調管理としっかりと眠ることがコツです。
登山は実はハードなスポーツです。
なので、だるさや疲れを感じさせる老廃物質や乳酸などが
体に残らないように、下山後も水分をしっかり摂りましょう。
BCAAは乳酸産生を抑制する効果があると言われているので、
登山前、登山後のどちらにも摂りたいですね。

そして、現在発売中の「ランドネ9月号」では
笹倉さんが地形図を見ながら立山 室堂をガイドされています!
快適に登山するためのポイントもまとめられているのでチェックしてください。

初心者の方にわかりやすいようにイラストと写真を使って、
コンパスと地図の使い方やルートの選び方の説明をしています。

また、著書「高みへ 大人の山岳部 登山とクライミングの知識と実践」、
「完全図解アルパインクライミング教本」が発売中です。
それぞれどんな内容になっていますか?

「高みへ 大人の山岳部」はタイトルのとおり、
登山計画、食料計画、装備やロープワークまで登山の基礎項目が揃った内容です。

「アルパインクライミング教本」
こちらは「大人の山岳部」の次のステージなので、
バリエーションルートを目指す人に読んでいただきたい内容となっています。
目標とするルート選びの参考になるようにルートガイドも収録されています。

笹倉さんにガイドをお願いしたい場合はどうすれば良いでしょう?

「登山ガイド山志(やまさね)」
私が所属しているガイドグループです。
講習会やガイドなど私だけでなくいろんな個性的なガイドが揃っています。
またzoomを使ったオンライン講習も行っているので、まずはオンラインで様子を
みてみたいという方にもピッタリです。

では最後に‥笹倉さんにとって、山の1番の魅力を教えてください!

「登山の一番の魅力」
まだ見てない景色をみたい、とか、
まだトライしたことのない技術などに挑戦してみたいとか、
いつも一歩を踏み出すきっかけを作ってくれる、
そんなところが私にとっての一番の魅力です。

笹倉孝昭さんたくさんお話しいただきありがとうございました!
これを聴いて皆さんも山に登ってみてくださいね!!

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