毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。

DJの”おまり”こと三浦茉莉が大阪府の各市町村を現地取材したり、市町村の方から教えてもらったりしながら、街の隠れた魅力を発信します!

9月にご紹介するのは柏原市(かしわらし)。

柏原市は大阪の東の端、奈良県との境にあります。土地の3分の2が山間部で、市の中心部に大和川が流れています。人口は約6万7000人、大阪の都心部から電車で30分以内とアクセスがよく、自然も豊かな暮らしやすい町だと言われています。ぶどうの産地としても有名で、農園でぶどう狩りができるほか、柏原ワインも有名です。

9月の3週目となる今回は、柏原市立歴史資料館と高井田横穴古墳をご紹介します。

画像1: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

まず伺ったのが、毎年約100もの小学校が社会見学に訪れるという柏原市歴史資料館。館長の安村俊史さんに館内を案内していただきました。

日本で1~2を争うほど古墳の数が多い柏原市。常設展示では遺跡から発掘された考古資料を中心に、江戸時代の古文書などを紹介。

今年の秋の企画展は「大和川のつけかえ-つけかえしないと決めてから-」。この企画展は11月26日までです。

画像2: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

常設展示の入口にあるのは、松岳山古墳出土の楕円筒の埴輪。みなさんがイメージする、いわゆる埴輪とは、少し異なるのではないでしょうか?

こちらは鰭(ひれ)が付いているのが特徴で、全国的にみても類例がほとんどない貴重な埴輪なので、素通りせず、しっかり観察してみてくださいね。

画像3: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

高井田山古墳から出土した火熨斗(ひのし)は、青銅でひしゃくみたいな形をしており、かつてはあたためてアイロンとして使っていたもの。中国が百済の時代、朝鮮を経由して日本へやってきたと思われる貴重な資料で、日本でまだ2つしか見つかっていないそうですよ。

画像4: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

柏原市立歴史資料館で展示されているのは、古墳時代の出土品だけではありません。

柏原市といえば、今月1週目に紹介した通り、ぶどうの産地として有名。ここでは、明治末にはじまったとされる、ぶどう酒づくりの道具も展示されているので、あらゆるアプローチで柏原市の歴史がわかります。

画像5: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

館内をご案内いただいた後は、屋外へ。ここ柏原市立資料館は、史跡高井田横穴公園内にあり、まわりはほぼ森!なんとも空気がきれいな公園内を歩いていき、階段を上って小高い場所に行くと「高井田山古墳」がありました。

画像6: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

この高井田山古墳は、この後に見学する高井田横穴よりさらに100年ほど古い円墳で、板石を積んで作られた石室には、木棺が2つ平行に並んでいた形跡があり、おそらく夫婦が埋葬されていたと考えられています。

当時の日本にはそのような習慣はありませんでしたが、中国や朝鮮半島の王族らは、夫婦合葬が普通だったことから、この高井田山古墳は百済から渡来した王族クラスの夫婦が眠っていたと推測されています。

お墓の形や出土品から、いつの時代のどんな人が眠っていたのか分析できるってすごいですよね。

画像7: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

続いて、岩盤に掘り込まれた洞窟をお墓にしている高井田横穴群へ。これまで162基の横穴が発見されていますが、総数200基以上と推定されています。

特別に横穴の中に入らせてもらうと、空気がひんやり。懐中電灯の頼りない光だけでも、中が広く壁がしっかりしていた頑丈な造りだと感じられました。

画像8: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

鋭い道具で描かれた壁画・線刻壁画も残っています。落書きも多く、区別のつかないものもありますが、有名なのがゴンドラ形の船に乗る人物が描かれた壁画。ほかに人物、木の葉、蓮の花、馬、鳥、家などの絵もあり、1400年前の人々の死への考えを教えてくれているようです。

画像9: 9月18日(月)マンスリージャーニー@柏原市③

少しずつ日差しが和らぎ、虫の鳴き声も夏から秋へと移行している9月、貴重な歴史資料を目の当たりにして太古へ想いを馳せながら、森の中をお散歩するのは気持ちよさそうです。ぜひ柏市立歴史資料館と高井田横穴古墳をあわせて楽しんでくださいね。

柏市立歴史資料館のアクセスはJR大和路線高井田駅から徒歩5分、
開館時間は9時30分~夕方5時、休館日は月曜日と年末年始、
柏原市立歴史資料館の入館料、史跡高井田横穴公園の入園料、ともに無料です。

来週は古来より日本人と生活を共にしてきた日本在来馬がいる「和種馬ホースランド」をご紹介します。お楽しみに!

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