毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。
2024年度は大阪府の各市町村からゲストを招いて、DJの”おまり”こと三浦茉莉がインタビュー。ときにはユニークなイベントやその町特有の取り組み、特産品など、町の魅力を幅広く発信します。
5月にご紹介しているのは、大阪の東部に位置する大東市。
JR住道駅・四条畷駅・野崎駅・鴻池新田駅からアクセスでき、都心から電車で約10分という近さ。で、かつ広大な緑地公園や自然があります。コンパクトな街ですが、図書館が3館と充実し、都会と田舎のイイトコ取りなエリアです。
織田信長に先駆けた天下人・三好長慶(みよしながよし)ゆかりの地で、かつて西日本最大級の山城があった飯盛城跡(いいもりじょうあと)が残るなど、歴史的な資源も数多く、ハイキングコースを歩けば、当時の石垣を見ることもできます。
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大東市のご紹介3週目は、スタジオに大東市産業経済室 岡崎さんをお迎えしたので、インタビューの模様をお届けします。
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おまり:今日は 大東市で行われている「オープンファクトリー」の取り組みについて、大東市産業経済室 岡崎さんにお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
岡崎さん:よろしくお願いします。
おまり:大東市はすごく人の良さそうな優しそうな人がいっぱい住んでいるイメージです。
岡崎さん:そうですね。
おまり:岡崎さんも本当に最初に挨拶したときから優しい感じがします。土地柄ですか?
岡﨑さん:ありがとうございます。いい人がすごい多いですね。
おまり:まず、オープンファクトリーとはなんぞや?というところからお話を伺いたいのですが…
岡崎さん:「オープンファクトリー」というのは、ものづくり企業が生産現場を外部に公開したり、来場者にものづくりを体験してもらったりする取組で、以前から工場見学として
実施されてきましたが、工場見学の主役がどちらかというと来場者なのに対して、オープンファクトリーの主役は企業の従業員であるという特徴があります。
また最近では、ものづくりに関わる地域内の複数の企業が、単独ではなく、面として集まり、地域を一体的に見せていく「地域一体型オープンファクトリー」という取組へと進展をみせています。
おまり:なるほど。主役が企業の従業員。興味深いですね。そんなオープンファクトリーなんですが、大東市では2種類のオープンファクトリーを実施していると伺いました。
岡崎さん:はい。1つめは「FactorISM(ファクトリズム)」という取組です。FactorISMはFactory=“こうば”、ISM=主義・主張、Tourism=旅での体験・体感プログラム、これらを組み合わせた造語になっていまして、合言葉は”こうばはまちのエンターテインメント”。
2020年に八尾市・堺市・門真市を中心に35社が集まったところからはじまって、昨年には11自治体83社にまで拡がりを見せている取組になっています。
サブタイトルが『アトツギたちの文化祭』なんですが、文化祭を企画するように“自由に、楽しく、自分ごとに”取り組んでいることが特徴で、参加企業の熱量が圧倒的に高いというものになっています。
おまり:”こうばはまちのエンターテインメント”とか『アトツギたちの文化祭』とか、言葉選びが遊び心がすごいあってワクワクしますね。
岡崎さん:そうですね。
おまり:そんな「FactorISM」に岡崎さんがハマったきっかけがあったとお聞きしましたが…
岡崎さん:そうなんです。僕がFactorISMにはまったきっかけが、八尾市の企業の見学に行ったんですけど、行った時にちょうど社長さんが別の方の対応に当たってて、誰も対応できる人がいなかったんですね。で、その時に若い社員さんがいて、お互い目を見合わせて、どうしようという感じになっていたんですけど、とりあえず企業のこととか機械のこととかをその方がポツポツと話してくださったんですけど、その話が素人の僕にとってはとてもおもしろくて、どんどん質問をして、最初は戸惑いながら話してくれてた若い社員さんがだんだん自分から進んで、最後にはノリにのって機械の説明とか毎日どんな作業してるかとかの話をしてくれるように変わっていって。彼が日々当たり前にやってる仕事は、実は当たり前じゃなくてすごいことをしてるんだっていうことに、僕という来場者と話す中で、その方が気がついたのかなと今となっては思うんです。その一人の社員が変わっていく瞬間をこの目で見て、感じた時に、これはすごいことが起きてるぞ!って鳥肌が立って、こういうことがやりたいぞって思ったんです。その後で社長さんからその企業が有名な観光列車の車内を手掛けていたり、誰もが目にしたことのあるものをつくっていたりしているけど、ぜんぶ社外秘だから、ここだけの話ねって言われたんです。普段市民として生活しているだけではなかなか気付かない場所にある企業が、実はこんなにすごい、人に自慢したくなる企業だったんだと気付いた時の衝撃があまりにも大きくて、他にもそういう身近にあるのに気づいていない、すごい企業がたくさんあるんじゃないか、もっと知りたい!ってなって、どんどんFactorISMにハマりました。
おまり:思いがけず若い社員さんと、予定外のお話のなかから、そういうことを見出したというのは岡崎さんもすごいなって思いますけども。確かに… 絶対言えない社外秘のものをうちが作ってます!ってあるでしょうね。
岡崎さん:ありますねぇ。
おまり:そんなすごい企業が世の中にはたくさんあるし、そのすばらしさって伝えたくなりますね!その手助けをやることになったということなんですが。
岡崎さん:はい。僕がいる産業経済室という部署では10年以上前から人材不足で困っているという市内企業の皆さんの声を聞いていて、行政と企業とが一緒になって子供向けのイベントをたくさん行い続けてきたんですけど、市民向けのイベントだけだとなかなか思うような成果につながらなかったんで、それなら今までイベントをたくさんしていて、人に魅せる力とか伝える力は十分持っている、そういう皆さんの力を大東の外に向けて伝えてみたらどうなるだろうと思い、昨年から「FactorISM」に参加しはじめました。
おまり:わぁ、すばらしい発想の転換ですね。では、もう1つはどのようなものでしょうか?
岡崎さん:もう一つは「だいとうオープンファクトリーCONTACT」というもので、大東商工会議所とその会員企業が昨年から取り組組まれています。
市内の小学生向けのイベントで、小さな頃から地域のいろいろな職業を知って、大東を好きになってもらいたいという想いから始まりました。
さっきは大東の外に伝えると言いましたが、やっぱり市民の皆さんに大東の企業の魅力を伝え続けることも僕たちはしていきたいんですね。そこでCONTACTでは地域の皆さんを巻き込むイベントにしようと商工会議所の職員がいろんな方に声をかけた結果、当日には大阪桐蔭高等学校の学生さんたちがこうばの案内役を務めたり、参加企業の敷地内で四條畷学園高等学校の学生さんたちが吹奏楽を演奏したり、また地元のだんじりが太鼓や鐘を叩いたりと、まさに地域ぐるみのお祭りとなりました。
おまり:へぇ~、参加している企業と人との繋がり、さらには学校とのつながりまで、声を掛け合うと輪は広がっていくものですね!
岡崎さん:そうですね。ここまで広がっていくとはびっくりしました。
おまり:さぁ、それでは、大東市の「オープンファクトリー」の取り組みについて、今後どのような展開を考えていますか?
岡崎さん:まずは2025年に大阪関西万博が開かれるときに、オープンファクトリーを行っているまちや工場がサテライト会場になって、各企業のものづくりのストーリーや技術力を世界中の人に知ってもらうことです。そこに大東市もしっかり加わる準備をしていきたいなと思っています。
それと市内の高校と連携して高校生向けのオープンファクトリーツアーを開催したり、一般の方向けに市内の観光地や食とこうばをつなげた日帰り旅行を企画したりしたいなと考えていますし、また、門真市や四條畷市の企業とも連携して活動を進めていますが、今後大東の企業同士や市内企業と市外企業がコラボレーションして新しい取り組みが生まれる、というようなこともしていきたくて、第一弾として6月にワークショップを行おうかなと今、準備を進めています。
おまり:わぁ~すごい。忙しくなりますね。
岡崎さん:はい、めっちゃ忙しいです(笑)。
おまり:ちなみに夢とかありますか?
岡崎さん:僕の個人的な夢なんですが、大東市民の方が、大東市でつくれたものに囲まれて、それに誇りを持って、家に来た人に「これ、大東の○○の会社が作ってるんやで」と話して「すごいね」って言ってもらえるような会話を日常的にしている、そういうような状況を作れたらなと思っています。
おまり:すごく大東市愛を感じます。これからどれくらいの期間で行われていくんですか?
岡崎さん:スケジュールは、FactorISMは10/24(木)~10/27(日)まで開催されます。参加企業の募集は今月5/31(金)までとなっています。
詳細はFactorISMのホームページで順次更新されていきますので、そちらをご覧ください。
だいとうオープンファクトリーCONTACTは今年11/2(土)に開催される予定です。こちらも詳細は大東商工会議所までお問合せください。
おまり:開催は10/24~27ということなんですが、〆切が5/31(金)。今月末と迫っているので要チェックですね。大東市の方は世界にも目を向けてらっしゃる一方で、大東市の中身というか、人々も大切にしていて、どちらにも目を向けているのがすごくグローバルであり、大東愛もあり、素敵ですね。
岡崎さん:まずは地域に目を向けて、それをどんどん外に発信していくということをしていきたいですね。
おまり:はい。さぁそれでは最後に岡崎さんからリスナーの皆さんへメッセージ、よろしくお願いします。
岡崎さん:まちにたくさんある中小企業の多くは大企業からの仕事を下請けとして行っていますが、自分たちがどんなすごい仕事をしているか、どんなすごいものに関わっているかを伝えることは大企業のブランドを守るためにできないということが多いですし、中小企業の社員さんにとってはあまりに当たり前のことなので伝える必要性を感じていない方も多いです。だから僕らが普通に生活しているだけでは見えていないもの、気づいていないことがたくさんあります。例えば今使っているシャンプーやハサミ、乗っている車、実は身近にある企業が関わっていることがけっこうあるんですが、そういう情報はホームページにもSNSにも書けなくて、オープンファクトリーに行って自分の目で見て、職人さんから話を聞いて初めて知ることができます。自分のまちがもっと好きになるオープンファクトリー、ぜひご参加いただけたらと思います。
おまり:私たちが知ることももちろん大切ですし、その中小企業で働く方のプライドだとか誇りになる取組だと思うので、これからもどんどん活性化していくといいなと思います。
岡崎さん:はい、どんどん広めていきます。
おまり:地域の伝統産業やモノづくりのすばらしさ、技術を絶やさないように様々な人に伝えていく取り組み、是非継続してほしいなと思います。
今日は、大東市の「オープンファクトリー」の取り組みについて大東市産業経済室 岡崎さんにお話を伺いました。ありがとうございました!
岡崎さん:ありがとうございました!
大東市オープンファクトリーについて▼
https://www.city.daito.lg.jp/soshiki/5/53088.html
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来週は 大東市の住道駅前デッキで開催されているナイトマーケット「ズンチャッチャ夜市」について深掘りします!来週もお楽しみに!