各大学の未来に
繋がる取り組みを紹介する番組
「マクセル meets カレッジナレッジ」
FM大阪と、TOKYO FMの2局ネットでお送りしています。

今月は、奈良県奈良市にあります
“奈良女子大学” におじゃましています。

お話を伺うのは
奈良女子大学大学院
生活工学共同専攻
修士課程 1年 有海亜美 さんです!

画像: 7/14(日)「マクセル meets カレッジナレッジ」

有海さんは、食感に乏しい介護食などを食べる際、
動きに合わせてヘッドフォンから“音”を流す装置を使って
食感を向上させるという研究に取り組まれていますが
この装置を使った新たな検証を始められているそうですね?

現在、私は2つのことに特に注目して研究に
大阪大学の人間支援工学領域の研究室と取り組んでいます!
まず1つ目が、【食品の物性と食感向上作用の検証】です。
物性、とは、硬さや粘着性、弾力などのことですね。

実は、イメージのしやすい咀嚼(そしゃく)音であるポテトチップスやおせんべいなどを用いた研究は
多く行われていますが、これらの技術の介護食への応用をしている研究はまだ少ないんです。
そのため、物性によって音のフィードバックによる効果がどのように変化するのかは、
まだわかっていない部分が多いです!

なるほど、介護食のような柔らかく、本来咀嚼音の少ないものでも、
同じように食感が向上するかはわからない、ということですね。

音が咀嚼の動作にどのように影響を与えるかもわかっていません。
そのため、 介護食に応用するには更なる食品物性との関係の検証が必要です。
そこで、私は味や大きさを統一し、硬さや粘着性・弾性などが異なる様々なグミを作成し
それらをレオメータと呼ばれる機械で測定した物性値と
主観評価アンケートから得られる人が感じる物性・咀嚼動作のデータを用いることで、
音のフィードバックがどのような変化につながるのかということを比較検証しています!

同じ味でも、硬さや食感で味の感じ方が変わるというのは、不思議ですね〜!

そして、2 つ目は咀嚼音以外での食感向上効果の検討です。
具体的には食材を押しつぶす際の音、“食材破壊音”や“ぷにゅ”“ムニュ”っといったアニメで
聞く音のような効果音によって食感がどのように変わるかについてです。

これらによって、食感が向上したり、楽しさといったような精神面への影響で
ポジティブな結果が得られています。

“咀嚼音”の感じ方は人それぞれで、
他人の咀嚼音を聞くという違和感もあるかもしれないので
いっそ、こういった音だと純粋に楽しめそうですね!

今後は、高齢者が食べにくい食材の団子のような粘着性のある食べ物を音によって
再現できたらとも考えています。
この研究によって高齢者にとっての新たな食体験を構築し、
食事の選択肢を広げ、食の楽しみを増やすことにつながることができればと考えています。
全ての人達が生涯食べる楽しみを持ち続けられるような社会になればいいなと思っています。

生きていくために欠かせない大切な“食事”。
その楽しみが広がることは、QOL “生活の質”の向上にも繋がりますね!

有海さん、2週間にわたってありがとうございました!

番組の情報や収録の模様は、
カレナレ公式Xでアップされています!

今週の放送はradikoタイムフリーでも聴くことができます!

This article is a sponsored article by
''.