各大学の未来に
繋がる取り組みを紹介する番組
「マクセル meets カレッジナレッジ」
FM大阪と、TOKYO FMの2局ネットでお送りしています。
今月は、東京都新宿区にあります
“工学院大学”におじゃましています。
先週に引き続きお話を伺うのは
工学院大学工学研究科
建築学専攻 修士2年
木村柊希さんです!
神奈川県の“空き地”を整備した広場 「カナドコロ」 の運営を行なっています。
よろしくお願いします。
さて、“カナドコロ”とは、どういった場所なんですか?
“カナドコロ”は、神奈川県川崎市麻生区の金程というところにある広場です。
川崎市と工学院大学の共同研究事業として、2016年にスタートしたプロジェクトで、
30年もの間空き地状態だった公有地を川崎市との共同研究という形で整備しました。
広場としての整備後は、近隣に住む子供達の日常的な遊び場や、地元団体の方々のイベントスペースとしても利用していただいています。
カナドコロという名前の由来ですが、地域の方々の“拠り所”になってほしいという願いを込めて、
“金程地区の拠り所”を略して“カナドコロ”と名付けました。
2021年度には、“グッドデザイン賞”も受賞されたそうですね。
一般的な広場や公園とはどんな違いがあるんでしょうか?
近年、地方から都市部への人口流出や長い間ひとつのまちに住み続ける人が減少したことから、
ご近所付き合いの機会が減っており「地域のつながり」が薄れてきているという
課題が深刻化しています。
また、特に地方では、人口の減少により、今後空き地が増えることが予想されます。
このような問題に「グリーンインフラ」手法を用いて市民の暮らしを豊かにすることを
目指しているのがカナドコロの特徴です。
そのため、公園のような遊具はなく、木材で作った“ファニチャー”という移動できる家具や
日除けの付いた休憩エリアを設けたり、雨水の再利用・虫取りなど自然豊かな場所となっています。
“グリーンインフラ”とはどういったものなんでしょうか?
グリーンインフラとは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に
活用しようとする考え方のことです。
つまり、自然を守るために自然環境を作るのではなく、自然の持った機能を活かし、
“自然機能の利用”に目的を変えることで、経済活動と環境保全を融合させる
ロジックを構築することです。
例えば、二酸化炭素の削減としての植物がその地域の生き物の生息・生育のための場所づくりに
なりながら、こどもたちの遊び場になっています。
また地面は間伐材を素材とした「マルチング」が広がっており、大雨などによる水害に対してなど、
地域の安心安全にも寄与しています。
このようにカナドコロはグリーンインフラを活用しながら、
地域のつながりも生まれる場所になっています。
なるほど、その広場を、大学生の皆さんで運営されているんですか?
整備をしているのは私たちですが、運営に関しては、地域の方々と一緒に行なっています。
作り込み過ぎず、利用の進化にあわせて少しずつ DIY で進む「簡単で楽しめる維持管理」ができるというのもポイントで、最終的には、こういった広場が地域だけで運営されていく
という持続可能な形作りを目標にしています。
地域の方も一緒に場所作りに携わっているんですね!
さて、今週はここまでです。
続きは、来週も引き続き木村さんから伺います。