2024年12月23日(月)マンスリージャーニー@河内長野④

毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。

大阪府内の市町村をひとつ取り上げ、1ヶ月にわたって深掘り。ゲストを招いて、DJの”おまり”こと三浦茉莉がインタビューします。ユニークなイベントやその町特有の取り組み、特産品など、町の魅力を幅広く発信するコーナーです。

今月ご紹介するのは…河内長野市!

河内長野市は大阪府の南東端に位置し、奈良県と和歌山県と接しており、北を頂点とした三角形の市域を形づくっています。

大阪都心から電車で約30分。南海・近鉄と2路線が通り、便利なアクセスでありながら、雄大な自然・美しい水や空気に恵まれた「都会と自然のちょうどいいバランス」が自慢です!

河内長野市の第4回目は、河内長野市在住の、のこぎり奏者サキタハヂメさんをお迎えしました。

画像: 2024年12月23日(月)マンスリージャーニー@河内長野④

おまり:さぁ今日はですねミュージカルソー「のこぎり」奏者であり作曲家としても活躍してらっしゃいます河内長野市在住のサキタハヂメさんをスタジオにお迎えしました。サキタさん、よろしくお願いいたします。

サキタさん:よろしくお願いします。サキタです。

おまり:まずミュージカルソー「のこぎり」奏者ということですが、ミュージカルソーとは??

サキタさん:音楽のこぎりというもので、のこぎりを弓でこすって美しい音色を響かせるといった楽器で、それを弾きまくっております。

おまり:なるほど。あの「のこぎり」ですか?

サキタさん:あの「のこぎり」です。弾いたことあります?

おまり:木をキコキコ切ったことはあるんですけど…。

サキタさん:そうですよね(笑)。今日は持ってきてないんですけど、のこぎりはスカンジナビアや南米の林業の方々が使っていたのこぎりをバイオリンの弓でこすったり叩いたりすると、天から降り注ぐような美しい音色がするっていう、種も仕掛けもないんだけれど聴いたことないような美しい音色なんです。

おまり:サキタハヂメさんのYOU TUBEをたくさん見させていただいたんですけど、本当に音色が人がソプラノで歌っているような素敵な響きですよね。

サキタさん:シンギングソーって言って、歌うのこぎりって言われたりもするし、本当に僕も30年くらい弾いてるですけど、なんであんな音がするかわからない。下敷きってビャンビャン音鳴るじゃないですか。あれを延々と弾き続けるみたいな。言うてもわからへんかもしれんけど、鉄板を曲げるところでドレミファソラシドが出る、不思議な楽器です。

おまり:ね!弦じゃないし不思議な構成ですよね。ボヨンボヨンすることで音色が変わるんですかね?

サキタさん:また次、持ってきますね。

おまり:はい!

サキタさん:今日は河内長野の話をするって聞いていたので、河内長野で音楽をいっぱい聞いているので、そっちの話をしようかなと。

おまり:そうですよね。ミュージックソーの世界大会では2度優勝してるとのことですが、そのお話も聞いてもいいですか?世界大会って…?

サキタさん:ねぇ、そんなものがこの世の中にはあるんですよ。アメリカ、フランス、中国、フィンランド、いろんな国にのこぎり奏者がいて、そんなに人数が多いわけではないんですけど、アメリカのサンタクルズで昔からやってるのこぎり音楽の世界大会で、けっこう前ですが優勝したりしました。

おまり:すごいですよね。そもそも、どうしてのこぎり奏者になろうと思ったんですか?

サキタさん:横山ホットブラザースさん、ご存知ですかね?大阪のある程度の年齢の方はご存知の。「お~ま~え~はアホか~」って持ちネタがある、のこぎり奏者の方がいまして、その方々が好きやったんですけど、東京にも落語家の都家歌六さんって方がのこぎり奏者で。その師匠の奏でる音色が笑っていいのか、泣いていいのか、泣き笑いのすごい音色にやられて、気付いたら30年ですね。

おまり:30年…。すばらしいですね。ドラマの劇中音楽とか、音楽制作も幅広くされているとか。

サカタさん:そうですね。ドラマとか舞台とかCMとか何かの音楽をつくることと、のこぎり奏者と両方をしてまして。だから、ぜんぶの音楽をのこぎりで作曲しているわけではなくて、ピアノで作ったりギターで作ったり、オーケストラで作ったりバンドで作ったり、作曲の仕事とのこぎり奏者をやっています。

おまり:演奏家として・作曲家としてお忙しくされていると思いますが、そんな中、今住んでいらっしゃる「河内長野市」と一緒に作り上げている事業があるんですよね?

サキタさん:そうなんです。奥河内音絵巻というシリーズがあって、光と音の舞台で、「奥河内音絵巻」で調べてもらうといろいろ情報出てくると思いますが、河内長野の自然や文化、あと人がね、こちらにも何人か来ていると思うので感じてらっしゃるかもしれませんが、人が優しくてなんか隠し持ってる感じ。

おまり:みなさん、優しいです。隠し持ってる感じ、しますか?なんかでもそうかもしれない。神秘的な部分があったかも。

サキタさん:悪い意味じゃなくて、なんか持ってる感じがあって、それが実は歴史的なものをみてもけっこうそれがあるし、金剛山にある「日月四季山水図屏風」は世界の美術館からオファーのたえない国宝なんですが、その絵もね、なんかねぇ。絵巻物や屏風だったりは、当時のバーチャルリアリティというか、アニメーションというか、絵が1枚あるのにどんどん中に入っていくような体験ができる絵があって、それを河内長野の中で、僕らなりに光と絵で体験型のエンターテイメントに10年くらいやってきて、それがすごいおもしろくなってきて、来年の万博にも9月6日7日に出させてもらうんです。

おまり:すごい、決定なんですね。この「奥河内音絵巻」シリーズの10年の歩みを見させてもらったんですが、めちゃくちゃすごいクオリティですよね。

サキタさん:ほんまに東京とか大阪とか、都会でやるほうが、もっといろんなことがって思われると思うし、僕もそう思っていたんですけど、河内長野でつくるって、他にない、その土地が語りかけてくるんです。「お前、これに気付いたか」って。

おまり:え~、自然と対話してるんですね。

サキタさん:そうそう。こないだも関西サイクルスポーツセンターさんといっしょに作った「自転車狂奏曲」は、森の中に自転車のモンスターがたくさんいて、自転車に乗れない少年が対峙する1時間の物語なんですけど、自転車のモンスターにやられそうになる、自転車に乗れない男の子は、最終的に男の子はビビッてしまって、ふと自転車のサドルを見たら、サドルって鼻の形にそっくりで、そうか、もっと深呼吸したらいいんやって気づいて、そこから深呼吸のダンスっていう曲ができたりとか。勝手に降りてくるモチーフ、テーマで、いろんなものを描けるのが河内長野。意外と大阪の人でも「河内長野って、どこにあるの?」って言う人もいると思うんですが、河内長野は奥の院感も隠し持っている感じがします。おもろいんですよ。

おまり:「奥河内音絵巻」が10年あるうち、序盤はすごく自然な壮大さや自然からのメッセージが舞台からどーんときてる感じがして、年が経つにつれて人が入ってきて、メッセージ性がより強まって、どんどん形を変えていいようのないメッセージを光や音で表現していて……、すごい…、あれ、なんですか?

サキタさん:ははは(笑)。

おまり:ミュージカル?舞台?

サキタさん:ふふ、めっちゃうれしい。見ていただいたんですね。これね、ラジオでどう伝えようかなと思っていて。

おまり;なんかこう、市でやるにはクオリティが高すぎるというか、あまりにも壮大で幻想的過ぎて、そこで見てたら自然の中に引き込まれちゃうんだろうなって。

サキタさん:これをニューヨークや、もっといろんなところに持っていきたいなと思っていて、これをパッケージ化して、河内長野から生まれた音絵巻…、僕もあれミュージカルなのかコンサートなのか…。

おまり:不思議な世界ですよね。

サキタさん:オルタナ民芸エンタメって呼んでるんですけど、民芸でもあって、人々がたくさん参加してくれる、光と音でオルタナティブなものになっているから、意外とこれって世界にないよなって思って。ないものをどんどん出していきたい。おもしろくて仕方ない。

おまり:そうだと思います。あれはだからサキタさんの頭の中というか、河内長野市と対話しているなかでのインスピレーションが全部丸ごとあそこに出ているのかなって。

サキタさん:そうかもしれないですね。もしかすると。

おまり:いかにも不思議なんですよね。それですごく美しくて自然の力を感じました。

サキタさん:ありがとうございます。

おまり:ぜひたくさんの人に見てほしいですよね。

サキタさん:本当に見てほしいです。

おまり:万博に向けて、気合が入りますね。

サキタさん:そうですね。万博の会場がまだぜんぜん詳しくわからなくて、見学させてもらえなくて、スタッフにいつも怒られてます。どうなるのって。でも、すごいいいチームで、日本を代表するチームが集まっているので、すごいものになるなって思っています。

おまり:すごいびっくりしたんですけど、出演者さんって、プロの方ではなくって、集まってきてくれている人達だったりするんですか?

サキタさん:プロのアーティストも入るけど、市民といっしょに作るっていう、民芸っていうのを大事にしていて、そういうチームでやることによって、えもいわれない人間味というか、一糸乱れるというか、ビシッとキマるとかじゃないんですけど、そこにちょっとホロッとしたものがあって、泣けてくるし笑けてくるし。最終的には、舞台の上じゃなくて、劇場を出たあと、道を普通のおじいちゃんが歩いているのを見るだけで泣けてくる、みたいな作品をやれたらいいなと思っています。そこが10年続けてきたから、できるようになってきたかなと思って。

おまり:不思議な体感だろうなと思います。2025年は「奥河内音絵巻2025 日月山水タイムマシン」。どんなものになりそうですか?

サキタさん:9月の万博会場のシャインハットっていうホールでやるのが、その「奥河内音絵巻2025 日月山水タイムマシン」っていう、完全に時空を超えてしもてる作品になるんですけど、その前、2月16日にみんながプチ音絵巻と呼んでいる、河内長野でまず先に万博をやってまおうやっていう会があって、そっちは光の滝と大きな木っていう、アフリカのブルキナ・ファソっていう国があって、そこと河内長野はおもしろい交流をすることになったので、どこの国にもある太陽と月と森と水を、つないでいくとどんなものができるかなと目下、妄想しまくっているところです。

おまり:日本中だけでなく世界を股にかけるサキタさんが河内長野市に何かがあるって思ってるってことは、何かがあるんでしょうね。

サキタさん:あると思います。僕がどうかはわからへんんけど、いろんな角度からいろんなものがモチーフとやってくるし、実は河内長野が広がっていくと、世界からいろんなテーマ、とかイメージがくると思うので、あんまりこだわりたくはないなと思うんです。河内長野はまだなんぼでも描くものがあって、まだ爪楊枝はやれてないし。

おまり:すごいですね。以前にも紹介しました「つながる河内長野EXPOプロジェクト」で、こちらに参加する 演者さん・スタッフさん、大募集中なんですね。詳しくは「つながる河内長野EXPOプロジェクト」と検索してみて、興味がある方はぜひ参加してみて欲しいですよね。本当に素敵な舞台なので絶対に参加した方がいいと思います。

サキタさん:よろしくお願いします。

おまり:ではサキタさん、最後になってしまいますが、今後の目標やこれからの10年、抱負などはありますか?

サキタさん:目標はとにかくピンときたことを無視せずに作り続けたいですね。ピンとくることがめっちゃあるし、それを毎回作品化させてもらえる仲間がいるっていうのは、すごいことやなって。1人でやっているだけじゃなくて、相当いろんな人にご苦労をかけているんですが、それはめっちゃおもろいなって感じで。世界に出していきたいので、その方法を模索めっちゃしています。

おまり:ひとつサキタさんの舞台がちゃんと毎年河内長野市にあることが幸せですよね。

サキタさん:みんなそう思ってくれているかわからないですが、僕がわーわー言うだけじゃなくて、来年どうしますか?って聞いてもらえる形ができているのは、ありがたいなって思ってます。

おまり:今日はのこぎりではなく、持ってきていただいている楽器があるんですよね。それはなんですか?

サキタさん:河内長野の木、大阪河内材っていうスギとヒノキで作った楽器なんです。奥河内三弦っていう、すごく優しい音が出る楽器です。(奥河内三弦、演奏中)

おまり:素敵な音色。

サキタさん:指で弾くとポーン♪という音ですが、弓で弾くとボロローン♪という…。

おまり:うわ~、バイオリンみたい!

(奥河内三弦、演奏中)

おまり:奥行が素晴らしい深い音ですね。

サキタさん:河内長野っぽいでしょ。

おまり:はい、森が叫んでるみたいです。

サキタさん:そうなんです。これ、みんなで作ったんです。最初は山を登るときの杖を楽器にできひんかなって思って、みんなで木を切って試作を作ったんです。木の枝に弦を張って作ったらさすがにすぐ曲がって、ちょっと楽器職人の仲間がいて、みんなでいっしょに作って、こんなめっちゃいいのができて。

おまり:えっ!じゃあ、それはオリジナルの楽器ってことですか?

サキタさん:そう、オリジナルなんです。河内長野の。

おまり:そうなんだ。

サキタさん:奥河内三弦(おっかさん)って言うんです。

おまり:なんでおっかさん?

サキタさん:奥河内三弦(おくかわちさんげん)の字から取って「おっかさん」。

おまり:あっ!そうか~ごめんなさい、「お母さん」を想像してました。

サキタさん:ぜんぜん謝らなくて大丈夫です。

おまり:みんなで作った楽器なんですね。

サキタさん:笛も作ったりしてね。森を1個丸ごと鳴らそうという、山を鳴らすプロジェクトもやっています。森のパイプオルガンとか、こないだバチカンと高野山をつなぐイベントをやったりとか。サウンドアートも作曲も光の音も、あかん、もう時間ないってなってエンジンかけてやってるところです。

おまり:森を鳴らそうってめちゃくちゃ斬新ですね。森の声が聴きたい?

サキタさん:森の声は聴きたい。あと、のこぎりを弾いていると、鈴虫がすごい鳴くんです。鈴虫が共鳴する周波数と、のこぎり音楽の周波数がすごく似てて、これは伊丹の昆虫館と鈴虫4000匹とコンサートをやりました。

おまり:え~すごい!

サキタさん:こないだはアドベンチャーワールドで、パンダの食べ残した竹を使って音楽をつくるだとか、今、おもろいオファーがいっぱいきてて、ぜんぜん時間なくて。こんなんであんなんできないかっていう、おもしろを、どれだけ舞台化、作品化できるか、今、やばなってます。

おまり:これだけ音楽を通して自然と遊んでいるアーティストの方って他にいないですよね。

サキタさん:どうなんですかねぇ。海外に行くと仲間がすごくできたり。河内長野でも、先々週「インテンス」に出演していた観心寺の永島住職、物理学の先生、ジャンルの違うお友達ができる。語っている内容は音楽だけじゃないけど、みんなでヘラヘラ笑いながら話している感じですね。

おまり:あったかいですね。あらためて河内長野市の良さってどんなところだと思いますか?

サキタさん:みんながほんまにおもしろとか、自分の大事なものを隠し持っていて、それをあからさまに出していかないところが奥ゆかしいなと思うんですけど、このタイミングで出てくるなと思っていて。今、すごい空気になっていて、今回出ているメンバーが。すごいいい感じになっていて、いよいよ世界にバレていくんじゃないかなって気が勝手にしてます。

おまり:これからの河内長野市が楽しみですね。

サキタさん:楽しみです。

おまり:私たちも注目していきたいと思います。今日はミュージカルソー「のこぎり」奏者であり、作曲家としても活躍してらっしゃいますサキタハヂメさんにたくさんお話を伺いました。ありがとうございました。

サキタさん:のこぎりまた弾きにきまーす

おまり:ぜひぜひ。いらっしゃってください。ありがとうございました。

▼サキタハジメ公式WEBサイト

https://hajimesakita.com/

▼奥河内音絵巻2025「日月山水タイムマシン」

https://www.expo-osaka2025.com/osakaweek/regular/event/0906_kawachinagano.html

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