各大学の未来に
繋がる取り組みを紹介する番組
「マクセル meets カレッジナレッジ」
FM大阪と、TOKYO FMの2局ネットでお送りしています。

今月は、大阪府大阪市にあります
“大阪工業大学”におじゃましています。

先週に引き続きお話を伺うのは
大阪工業大学 大学院工学研究科
化学・環境・生命工学専攻 1年
野村航平さんです!

画像: 1/26(日)「マクセル meets カレッジナレッジ」

“自然交配によって得た胚盤胞の体外培養”の研究を行なっています。
よろしくお願いします。

不妊治療の一助となるかもしれない、胚発生や着床の過程を解明するための
研究とのことですが、どういった研究なんですか?

この実験は、“マウス”を使った実験です。
最終的には、“受精卵”が育ち、“胚”になり、臓器ができていくまでの過程を体外で観察し、
そのメカニズムを知ることが目標となります。
このメカニズムを解明することで、不妊治療の失敗の原因や、
成功のための条件を見つけることができるのではないか、と考えています。

ちなみに、素朴な疑問なのですが、
体の中で育てるいわゆる“胎生”の生き物が育っていく過程が観察できるのはわかるのですが、
“卵生”の生き物を観察することで、解明の手がかりにすることはできないのでしょうか?

卵生動物の場合、『着床』という過程が無いため私が行っている研究では用いていません。
そのため、解明の手掛かりになるかどうかは分かりませんが、
一部のカエルやニワトリ等といった卵生動物は卵が透明であったり、
大きかったりと胚発生の観察に適した動物も存在するため、
それらを用いて解明しようとする実験も行われています。
一方で、卵生と胎生ではそもそもの発生段階が異なるため、直接的な比較が難しい点があります。

なるほど、成長の過程も全く違うんですね。

この研究は、先輩から引き継いできた研究なのですが、
元々は、体外受精をおこなった受精卵で実験を行なっていました。
ですが、これだといい卵ができず、失敗の確率が上がってしまうので、
僕は“自然交配”でできた“胚”が“桑実胚”、そして“胚盤胞”まで成長したところで
マウスから取り出し、コラーゲンゲルを用いて子宮環境を模倣した上での培養を行なっています。

結果はどうなったんですか?

着床を確認することはできていますが、次の成長段階である
“卵筒期胚”への発生は残念ながら、確認できていません。
子宮内の環境、たとえば子宮内膜表面の細胞の状態や子宮内の圧力などが、
まだ完全に模倣できていないからだと考えています。
この課題は、世界的に多くの研究者が取り組んでいます。
今後、“不妊治療”の技術を進めるために、正常な子宮内環境の模倣を目指し、
研究を続けたいです。

野村さんのバトンが繋がって、「すべての人に健康と福祉を」につながるといいですね。
野村さん、2週間に渡ってありがとうございました。

番組の情報や収録の模様は、
カレナレ公式Xでアップされています!

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