毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。

大阪府内の市町村をひとつ取り上げ、1ヶ月にわたって深掘り。ゲストを招いて、DJの”おまり”こと三浦茉莉がインタビューします。ユニークなイベントやその町特有の取り組み、特産品など、町の魅力を幅広く発信するコーナーです。

さて、今月ご紹介するのは・・・吹田市!

吹田市は昭和15年に誕生し、令和2年に市制施行80周年を迎えました。

現在の人口は38万人を超え、大阪府の北部に位置し「北摂」と言われる地域にあります。5つの鉄道・15の駅があり、高速道路が通っているなど、様々な場所へのアクセスが良い街で、万博記念公園などの緑豊かな環境が特徴です。

画像: 2025年6月30日(月)マンスリージャーニー@吹田市④

おまり:今日は山田地区権六おどり保存会会長の村上さん、シティプロモーション推進室の大西さんにお話を伺っていきたいと思います。お二方よろしくお願いします。

お二人:よろしくお願いいたします。

おまり:今日は、吹田市山田地区に踊り継がれてきた「山田権六おどり」についてお話を伺っていきたいと思います。まず「山田権六おどり」とは、そもそもどういったものなのか教えてください。

村上さん:吹田市の山田地区で古くから踊り歌い継がれてきた盆踊りです。吹田市地域無形民俗文化財に登録されております。権六おどりは物語がありまして、山田に住んでいた大工の権六さん、非常に腕がよく円照寺の普請(ふしん/寺院の建築や修理)をすることになりました。円照寺は吹田市山田にある大きなお寺です。ちょうどそのころ、山田にはおすぎという名の16歳のかわいらしい女性が住んでいました。みんなのアイドルでした。権六もおすぎに惚れておりましたが、おすぎさんは円照寺にお参りに行ったときに住職さんに惚れてしまいました。

おまり:権六さんじゃなくて、住職さんに⁉

村上さん:はい。そういう噂が村中に伝わったとき、権六さんはピタリと仕事を辞めてしまいました。おすぎは家に帰って恋文を書きまして、円照寺のぜんべいさんに恋文を託しました。当時、住職に惚れるということはあまりなかったので、この手紙をどうしたらいいものか悩み、この手紙を権六に渡したら仕事をするんじゃないかと思いつき、なんと権六さんに渡しました。そうすると、みるみるうちにお寺の普請が終わったという物語があるんです。

そしてこの権六踊りの由来ですが、お寺の出来映えが非常によくて、権六さんは自分でも悦に入りまして近くから見たり、遠くから見たり、手をかざしてみたり。そんな仕草を村の人が見ておりまして、大変おもしろかったそうで、それを真似たのが権六踊りのはじまりと言われております。

おまり:権六さんがお寺の出来映えに感動して、手をかざすなどの仕草が踊りになったんですね。

村上さん:はい。前に行ったり後ろに下がったりという動きですね。

おまり:おすぎと権六、お寺の住職さんの三角関係からはじまったストーリーは実話?

村上さん:そういう風に伝えられてはいます。

おまり:おもしろいですね。そういう背景を聞いてから踊るのは楽しそうですね。

村上さん:そういうフリが元になったと意識しながら踊ってもらえたら、目線や手の振りが非常にきれいにできるのではないかと。

おまり:なるほど。権六の恋愛と単純な性格と踊りに出ているんですかね(笑)。この地区での夏祭りでは、今でも皆さんで踊られているのでしょうか?

村上さん:はい、地域の祭りでは必ず権六おどりは行われていますし、吹田市の万博記念公園で開催される「すいたフェスタ」でも踊っています。今年は9月20日に行います。そこでもだいたい2回はやっておりますね。

おまり:じゃあ覚えておかなきゃですね。9月20日の「すいたフェスタ」でも踊られるということで。この踊りを守っていくための「山田権六おどり保存会」があるとお聞きしました。

村上さん:古くは青年団や婦人会のみなさんが中心となっていたのですが、権六おどりはテンポが非常にゆったり。ですが昨今、趣向も変わってきて、江州音頭や河内音頭のようなわりかしテンポの早い踊りが好まれるようになりまして、だんだん廃れ気味になってきたんです。

また青年団や婦人会の活動も徐々に変わっていった背景がありまして、これまで長く伝わってきている山田の権六おどりをやはり後世に伝えていきたい、もっと盛り上げてみんなで楽しんでもらいたいと、1977年に保存会を結成いたしました。

おまり:どういった活動をしているんですか?

村上さん:公民会の講座ですとか、小学校の授業で教えにいったり、そういうことをやっております。地域の盆踊りがあれば出向きまして、踊ります。音頭、お囃子、太鼓、三味線は生でやるようにしています。CDで音源を流すよりも、こういう音頭です、こういう踊りですと伝えるのが保存会の役割だと思っておりますので、みんなであちこち行っております。

おまり:歌詞や物語もちゃんと伝えているんですね。この背景もおもしろいし、子どもたちにもわかりやすいのかなと思いますけども、地域の踊りや祭りなどは、人と人の伝承で伝わる部分も大きいですもんね。普及活動、頑張っていただきたいと思います。

村上さん:ありがとうございます。

おまり:この「権六おどり」が大阪・関西万博のEXPOアリーナで披露されるそうですが、こちら詳しく教えてください。

大西さん:はい、7月28日月曜日に大阪・関西万博のEXPOアリーナで開催される「交流盆踊り」がありまして、そこに保存会の皆さん、関西大学・大和大学の学生さん、そしてこの日のために募集した市民の方、総勢160名くらいのけっこうな人数で山田権六おどりを披露します。当日はおそろいのTシャツを着て披露する、すごく大きなイベントになっています。

おまり:160人は大所帯ですね。7月28日は暑そうですね。気を付けて踊ってくださいね。でもめちゃくちゃ圧巻だし、楽しそうだな~。

保存会の皆さんと、抽選で選ばれた市民の方の合計160人で踊るとのことですが、当日行けば、私たちも踊ることできますか?

大西さん:はい、今回関係者としては抽選で選ばれた市民の方になりますが、万博会場に入場チケットを買っている方は吹田の権六おどりだけじゃなくて、いろんな踊りも踊ってもらえるかなと思います。

おまり:万博会場でたくさんの人と一緒に踊って楽しみたいですね!ではあらためて、村上さんにとって、吹田市の好きな所を教えてください。

村上さん:吹田市はもともといくつかの旧村落が合併してできた市、それに加えて千里ニュータウンの開発ですとか、55年前に万博がありましたし、新たにお住いになった方もいます。新旧の住民が融合しながらやっていく。非常に環境にも恵まれた市ですし、比較的大きな公園もたくさんあります。そういうところで昔から伝わる文化ですとか、新たに加わって来られた市民の方といっしょに伝承していく活動をしていきたなと思っておりますし、そういう地盤がある市ですね。住むにもいいし、外に出るにもいいですし。

おまり:いいですよね。本当に公園がめちゃくちゃあるから子育てにもってこい。

村上さん:住みやすいですね。

おまり:お年寄りの方もけっこう見かけるし、吹田市の方はすごい幸せに過ごしてらっしゃるなという印象です。大西さんはいかがですか?

大西さん:私は吹田市民ではないんですが、この仕事を通して人の温かみ、保存会のみなさんもそうですが、すごいあったかい。みなさん本当に吹田が好きなんだなと感じます。今回の権六踊りも、保存会のみなさんは文化の継承が好きなんだなとか、人の温かみをすごい感じています。

おまり:いいですよね。住むとしてもいいところだし、人もあったかいし。私もすごい好きやんですよね、吹田市。なのでこれかもどんどん盛り上げていってほしいと思います。

さぁ今日は山田地区権六おどり保存会会長の村上さん、シティプロモーション推進室の大西さんにお話を伺いました。ありがとうございました!

お二人:ありがとうございました!

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