毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。

大阪府内の市町村をひとつ取り上げ、1ヶ月にわたって深掘り。ゲストを招いて、DJの”おまり”こと三浦茉莉がインタビューします。ユニークなイベントやその町特有の取り組み、特産品など、町の魅力を幅広く発信するコーナーです。

さて、今月ご紹介するのは・・・堺市!

堺市は、世界三大墳墓の「仁徳天皇陵古墳(にんとくてんのうりょうこふん)」をはじめ、大阪唯一の世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」のある 大阪で人口・面積が2番目に大きい都市です。

古墳を作る技術が、世界中のシェフに愛用されている「堺の包丁」や、シマノの「自転車」などの現在の産業にもつながっています。また、中世の時代に貿易都市として栄えたことで、様々な文化も発展。かの有名な茶人「千利休」が生まれ育った文化都市でもあります。

画像: 2025年7月14日(月)マンスリージャーニー@堺市②

おまり:今日は株式会社つぼ市製茶本舗 茶寮リーダーの三宅るみさんと堺市職員の田上 さんをスタジオにお迎えしました。お二方、よろしくお願いします。

お二人:よろしくお願いいたします。

おまり:今日は「堺市とお茶」というテーマでお話を伺っていきたいのですが、堺市とお茶の文化、これはいつ頃からはじまったものなのでしょうか?

田上さん:はい、堺市とお茶の文化につきましては中世の時代に遡るんですが、堺は貿易港として「黄金の日日」と呼ばれるほどすごく栄えていた時期がありました。当時は会合衆と呼ばれるとても有力な商人たちが「自由と自治の都市」を形成していたと言われておりまして、その商人たちが茶の湯を好んでいたと言われています。

商人たちは茶人としても活躍しておりまして、あの織田信長や豊臣秀吉の茶の湯を司る茶頭としても重用されていて、津田宗及、今井宗久、あとはみなさんご存知の千利休の三人は「天下(てんか)三宗匠(さんそうしょう)」と呼ばれ、茶の湯の世界ですごく活躍していたと聞いています。

おまり:歴史が古いですね。

田上さん:そうですね。

おまり:冒頭の堺市のご紹介で、千利休が生まれ育った」というお話をしたと思うのですが、利休はどんなことをしたんでしょうか。

田上さん:当時、中国(唐)からやってきた華美な茶道具がよく使われていたんですが、千利休はわび茶にふさわしい黒色のシンプルなお茶碗を好んで使ったり、日常にあるものを茶道具として見立てたりしていました。

また、どんな偉い人でも頭をかがめないと入れない「にじり口」という小さな入口を茶室に設けるなど、誰もがすごく平等にコミュニケーションに集中できるようにデザインしていました。

おまり:きらびやかというか、わびさび、みんなが手の届きやすい感じに持っていった方ですね。

田上さん:そうですね。

おまり:当時のお茶は高級品だったと伺ったんですが…。

田上さん:そうなんです。おっしゃるとおり、お茶は高級品だったんですが、貿易によりとても裕福だった堺では、身分の高かった武家や公家の方だけでなく、町衆と呼ばれた庶民まで、みんなが茶の湯を楽しんだといわれています。同じように急須でいれる喫茶の文化も商人が愉しんだことで広がりました。

おまり:喫茶文化もそうなんですね。そんな喫茶文化を大切に守り続けているのが「つぼ市製茶本舗さん」というわけですね。

三宅さん:はい。つぼ市製茶本舗は、嘉永三年(1850年)、堺の南旅籠町で谷本市兵衛が茶問屋として創業して、今年で175年を迎えます。「喫茶去(きっさこ)」という言葉があるのですが、これは「どうぞお茶を一服いかがですか」という意味なんですけれども、家族が集まる時やお客様をお迎えする時など、日常の暮らしの中でお茶は人と人をつなぐ役割を果たしてきました。お茶があることで、気持ちがほぐれ、自然と会話が生まれます。

弊社では、お茶の味わいはもちろんのこと、お客様に「安らぎ・和・健康・伝統」を感じて

いただけるよう、日本茶文化をお伝えするお店づくりを目指しています。

おまり:私も年を重ねるにつれてお茶の良さがわかってきているお年頃なんですが、170年以上に渡ってお茶を守り続けてこられたということで、つぼ市製茶本舗さんにはお茶にまつわるエキスパートがたくさんいらっしゃるとお伺いしました。

三宅さん:そうなんです。つぼ市製茶本舗では、お茶の品質に対する徹底したこだわりと、確かな技術力でお茶を作っている会社です。毎年開催される「全国茶審査技術競技大会」 は、全国の予選を勝ち抜いた茶業界の青年団員たちが、茶期・品種・産地・そして「闘茶(利き茶)」の技術を競い合って、段位を取得する権威ある大会です。段位は初段から始まり、最高位の十段なんですが、十段は日本全国でわずか約27名しかいないといわれる本当に希少な資格です。

つぼ市には、社長をはじめ7名の有段者が在籍しており、長年にわたり培った“目利き”の技術で厳選された上質な茶葉をお届けしています。さらに合格率わずか30%といわれる「日本茶インストラクター」の資格を持つ社員が14名、そして正社員のほぼ全員が日本茶アドバイザーの資格を取得していて、日本茶の魅力と文化を世界に伝えようと思っています。

おまり:え~!本当にお茶のプロフェッショナル集団という感じですね!2013年に古くからあった町屋をリノベーションされてオープンした「茶寮つぼ市製茶本舗 堺本館」ではお茶の入れ方教室なども開催されていると伺いました。

三宅さん:当店の建物は元禄時代から16代続いた仕出し屋「ウオニ」さんの後を継ぎ、お客様が安心してくつろいでいただけるよう丁寧にリノベーションしたものです。

この町家は1615年の大坂夏の陣や1945年の堺大空襲といった大きな火災を奇跡的にくぐり抜けて、350年以上の歴史を刻んできました。堺に現存する建物としてもとても貴重です。数が少なくなっておりますのでね。店内には当時の面影を残す独特の堺様式の建築様式が息づいています。

茶鑑定士のお仕事である利き茶体験していただけるセミナーや、おいしくお茶を淹れる

お抹茶やお煎茶の体験をしていただいたり、今はやりの抹茶アートなども行っています。

ノスタルジックで心落ち着く空間の中、町家ならではの優しい時間の流れを感じながら、日本茶をお楽しみいただければと思っています。

おまり:いろんなお勉強しながら心癒されそうですね。茶寮の人気メニューについてもご紹介いただけますか。

三宅さん:今の暑い季節は、堺の包丁職人さんに作っていただいた「堺刃物」で丁寧に削った「無重力かき氷」が人気ですね。口に入れるとふわっと溶ける優しい食感が楽しめます。

社内でも数人しか作り方をしらない秘伝の抹茶蜜は、つぼ市の茶匠がかき氷のためだけに厳選した一番摘み抹茶100%を使用していて、たくさんの方に食べていただきたい自慢の一品です。他にも香り高いほうじ茶で丁寧に焚き上げた茶粥、これは堺の郷土料理なんです。お茶を使ったお総菜、お茶を食べていたくのは健康にもいいので。あとは選べるお茶、デザートで茶葉の栄養をまるごと召し上がっていただけるランチセットもご用意しています。

おまり:秘伝の抹茶蜜、抹茶100%とか、私、ほうじ茶も好きだし、茶粥もすごい興味あるので、めちゃめちゃ行きたいです。堺市には他にもお茶にまつわるスポットもたくさんあるんですよね。

田上さん:そうなんです。三千家命名したお茶室がありまして、本格的な茶の湯を体験できる「さかい利晶の杜」や、茶室建築の名匠「仰木魯堂(おうぎろどう)」という人物が手掛けた茶室「伸庵」、千利休や千家とのゆかりが深く、お寺の天井に八方睨み龍が描かれている南宗寺など、様々なスポットがあるんです。

また茶の湯とヨガや瞑想がセットになったツアーのようなものが時々開催されています。他にも堺にはたくさんの和菓子屋さんがあるので、お茶とセットでぜひいろんな和菓子屋さんも巡ってみてください。

おまり:歴史がすごく古くていらっしゃるのに、今の人達に向けてお茶を広めようとしている気持ちが伝わってきます。ヨガや瞑想がセットになった茶の湯、めちゃめちゃ気になりますね。

田上さん:ぜひ参加してください。

おまり:はい!さらに、つぼ市製茶本舗さんは7/28(月)に万博で開催される堺のイベント「Craftsmanship Journey 万博の楽市楽座、堺と出会う一期一会」にも出展されるとお伺いしました。

三宅さん:そうなんです。私たちつぼ市製茶本舗も大阪ヘルスケアパビリオン前のステージで10時から20時まで冷たいお茶と、抹茶、ほうじ茶のアイスクリーム、あんみつなどの販売を予定しています。今日は、当日に販売する弊社自慢の抹茶アイスクリームをお持ちいたしましたので、ぜひご試食ください。

おまり:いいんですか。いただきます。めちゃくちゃうれしいです。色が抹茶が濃いのがわかります。う~ん、抹茶が濃くておいしいです。

三宅さん:食べる抹茶です。

おまり:おいしい!すごいお茶を感じられるアイスクリームですね。さっぱりしていてくどくないです。

三宅さん:抹茶がたくさん入っていますので、抹茶の栄養もしっかりいただけます。

おまり:抹茶って本当に底力がすごい食材ですよね。私も抹茶は摂り入れるようにしています。

三宅さん:ビタミンも豊富ですし。

おまり:そうですよね。本当においしいです。ありがとうございます。こんな美味しい抹茶を堪能できる7/28(月)の万博のイベント、皆さん是非ご参加ください!

ではあらためて、田上さんと三宅さんにとって、堺市の好きな所を教えてください。

田上さん:堺の伝統産業や地場の製品が一堂に集まっている「堺伝匠館」だと思います。堺の伝統産業である包丁や注染、和晒、線香はもちろん、普段使い出来る調味料や贈り物にもピッタリな、堺ならではの商品を選ぶことができる施設です。

建物の2階には「堺刃物ミュージアムCUT」があり、約300本の包丁素材で作られたシャンデリアがありまして、これは圧巻なので一度見ていただけたらと思います。とにかくお土産に悩んだらココにいけば間違いないと思います。私も手土産を選ぶときは必ずと言っていいほど伝匠館で買い物をしています。もちろんつぼ市製茶本舗さんの商品も購入できますのでぜひ皆さんにもお越しいただきたいと思います!

おまり:「堺伝匠館」要チェックですね。

三宅さん:私は堺は都会でありながら、お寺や神社があちこちにあって、少しのんびりした街並みが好きです。環濠の名残があったり、海岸沿いには古い灯台が残っていたり、春には川沿いに桜並木が連なりとてもきれいなんです。あとチンチン電車も今では珍しいですし、旅行気分で楽しめたりしますので、その辺りが気に入っています。

おまり:環濠って?

三宅さん:おほりみたいなものなんですね。その中に堺市はちゃんと都市がつくられていたんです。そのおほりも今は半分くらい埋まってしまっているんですが、その名残の中に公園があったりするのもめずらしいですね。

おまり:なるほど~なんか三宅さんの人柄も堺で作られたのか、すごい穏やかで癒されます。

三宅さん:ありがとうございます。

おまり:本当に笑顔も素敵で癒されます。では最後にリスナーの皆さんへ一言ずつお願いできますか。

田上さん:日本の伝統文化をたっぷり体験できる堺のイベントは、7/28(月)に大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン前のリボーンステージで開催しています!ステージやブースでの体験は予約不要です。もちろん先ほど申し上げた通り、つぼ市製茶本舗さんも出展していただきます。目印は超巨大な鯉幟を飾っているので、そちらを見かけましたらぜひおこしください。お待ちしてます。

おまり:ぜひこの抹茶アイス、食べてほしい~おいしい~。では、三宅さん。

三宅さん:毎日暑い日が続きますが、お茶をしっかり飲んでいただき、健康に乗り切っていただきたいと思います。7月28日の万博会場にも出店していますので、皆様ぜひお越しください。

おまり:今日は株式会社つぼ市製茶本舗の茶寮リーダー三宅るみさんと堺市職員の田上さんにお話を伺いました。ありがとうございました!

お二人:ありがとうございました!

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