毎週月曜日にお届けする「オオサカマンスリージャーニー」。
今日は「堺とアルフォンス・ミュシャの関わり」についてご紹介します。

おまり:今日は「堺 アルフォンス・ミュシャ館」学芸員の川口さんと堺市職員の藤岡さんをスタジオにお迎えしました。お二方よろしくお願いいたします。
川口さん&藤岡さん:よろしくお願いいたします。
おまり:今日は「堺とアルフォンス・ミュシャ」の関わりについてお話を伺っていきたいと思います。まずは「アルフォンス・ミュシャ」についてなんですが、これは人の名前ですよね?
川口さん:そうなんです。アルフォンス・ミュシャは、19世紀末から20世紀初頭に活躍した現在のチェコ共和国出身の芸術家で、フランスを代表する女優サラ・ベルナールの演劇ポスターで一躍有名になりました。しなやかな曲線と美しい色彩が特徴で、植物や星などの可愛らしいモチーフもたくさん使われた作品は今も世界中から非常に人気があります。実は、1900年のパリ万博でも注目も集めました!
おまり:芸術家ということで、1900年のパリ万博でも注目を集めるほど昔から人気があったんですね。今日はその「アルフォンス・ミュシャ」の作品集をお持ちいただいているのですが、確かに柔らかいピンクやオレンジ色とか黄色とか、鮮やかなパステルカラーの繊細な線で女性や草花が描かれていますね。芸術作品でありながら、アニメタッチな感じもあり、とてもロマンチックな絵だなと思います。ミュシャの魅力ってどんなところでしょうか?
川口さん:ミュシャはおっしゃっていただいた通り、アニメのようなイラストのような絵がとても人気で、国内各地で展覧会を開催されていて、いつもとても人気です。その人気の秘密は花々に囲まれた、優雅な曲線で描かれた華やかな女性たちにあると思います。
おまり:華やかですよね、とっても。そんな世界的に有名な芸術家アルフォンス・ミュシャと堺は、どんなつながりがあるんでしょうか?
川口さん:当館のコレクションは「カメラのドイ」の創業者、土居君雄さんが収集したミュシャの作品約500点で構成されています。土居さんが亡くなられた後、新婚時代を堺で過ごした思い出を大切にされた奥様から堺市に寄贈されました。土居さんはミュシャの息子ジリ・ミュシャ氏と親交がありまして、そのおかげで他ではなかなか見ることができない大型の油彩画や下絵なども含めた貴重な作品が多数コレクションされています。
おまり:土居さんが亡くなられた後、堺市に寄贈しなければ、こんなつながりはなかったわけですよね。とても素敵なご縁ですね。でも500点もお持ちになられてたってすごいですよね。
川口さん:そうですね。
おまり:ミュシャ作品が堺市ではいつでも見ることができるということで、とっても贅沢な時間が過ごせそうですね!私も行ってみたいです。そんなミュシャ関連のイベントが、万博会場で実施されるとお聞きしました。こちらご紹介いただけますか。
藤岡さん:はい。9月25日(木)に、万博会場の大阪ヘルスケアパビリオン前のステージで「CraftsmanshipJourney ~堺の匠が織りなす、ミュシャの世界~」をテーマにイベントを開催します。ミュシャの作品や装飾に用いられる草花などをモチーフとした堺の伝統文化のワークショップや実演を行います。ミュシャの世界を味わいながら堺の匠の技やクラフトマンシップを感じていただけるので、ミュシャをきっかけに堺の伝統文化の魅力を感じていただきたいです!
おまり:伝統とアートのコラボレーションということで、なにか新しいものが生まれそうですね。会場ではどのようなワークショップや実演を体験できるのですか?
藤岡さん:ミュシャ作品をイメージした香りづくりや、お抹茶点て、和菓子づくりの実演、鯉幟を描く体験など多様なプログラムを体験頂きたいと思っています。他にも、ミュシャ作品を堺の伝統産業である「堺緞通(さかいだんつう)」という絨毯の織りの技術で再現した貴重な展示品をお持ちしたり、ミュシャ作品や作品をイメージしたお花で会場を彩りたいと考えてます。
おまり:すごい!ちゃんと堺とつながっていて、ミュシャもびっくりでしょうね。堺市は本当に色んな伝統、文化があるなと感じているんですが、誰でもお気に入りの体験が見つかりそうです。「堺緞通(さかいだんつう)」で再現された作品というのは、どのような作品なんですか?
川口さん:古代ローマの邸宅で少女が大理石像に口付ける小説のワンシーンが描かれた「クオ・ヴァディス」という作品が「堺緞通(さかいだんつう)」として展示されます。ミュシャのビジネスパートナーが新しい絨毯工場を作ろうとした時に、その工場の初めての絨毯を「クオ・ヴァディス」にしようとしたそうなんです。しかし結局、絨毯工場は設立できず、実現には至りませんでした。そんな115年前の幻の計画を堺の伝統技術「堺緞通」で再現しようというプロジェクトを立ち上げまして、2年10か月の制作期間を経て絨毯を制作しました。元になったミュシャ作品と見間違える方もいるほどの高いクオリティの貴重な作品で約2m四方とほぼ実寸サイズで作られており、迫力があります!ぜひ皆さんにご覧いただきたいと思っております。
おまり:当時果たされなかった夢を堺の伝統技術で叶えられたんですね。すごいですね!
藤岡さん:万博会場は、普段見ることができないような芸術品がさまざま公開されていますが、今回のイベントでは、さきほどの堺緞通の作品以外にも、堺刃物の彫金師さんが彫った作品の展示や当日しか体験できない堺の匠との特別なコラボレーションを行いますので、ぜひお越しいただけたらと思います。ワークショップや展示以外にも、ミュシャの出身地のチェコ共和国との交流ステージや、チェコ音楽の演奏などもあるので、いつでもお気軽にお立ち寄りください。
おまり:最新情報は決定次第「SAKAI EXPO」のホームページで公開されるそうなので、
皆さまぜひ検索してください。
▼SAKAI EXPO
おまり:ではあらためて、川口さんと藤岡さんにとって、堺市の好きな所を教えてください。
川口さん:まずは世界有数のミュシャ作品を所蔵する「堺 アルフォンス・ミュシャ館」をおすすめしたいと思うのですが、堺市内には数えきれないほど魅力的なスポットがあります。堺市は実は大阪市内から近いんですが、とても自然が豊かな町です。中でも四季折々の自然や動物たちと触れ合える「ハーベストの丘」はすごくファミリーにもおすすめの場所になっています。また自然だけではなくて、歴史的な町でもありまして世界遺産の古墳ですとか、古い町並みの場所があります。明治時代からある灯台もあり、非常に趣があるところも魅力的な町です。
おまり:本当にいろいろありますよね。じゃあ藤岡さんはどうでしょうか?
藤岡さん:百舌鳥古墳群を8Kのシアターの美しい映像と音楽を通して知ることができる、「百舌鳥古墳群ビジターセンター」がおすすめです。大迫力の映像を楽しみつつ、白い服に映像を映して撮影するととても素敵な写真が撮れますので、ぜひ体験してみてほしいです。また、10月4日からガス気球の運行が開始して100mの上空から仁徳天皇陵古墳を見ることができるようになるので、こちらも必見です!
おまり:すごいですね。気球が飛ぶんですか?
藤岡さん:そうなんです。
おまり:気球から古墳が見られるなんて、すごく貴重な機会ですね。
藤岡さん:都市の中に浮かび上がる鍵穴の前方後円墳の形がご覧いただけます。人々の生活と共に大切にされてきた古墳ということが世界遺産登録でも評価されたポイントなので、そういったところも注目していただけたらと思います。
おまり:それでは最後にリスナーの皆さんへ一言お願いします。
川口さん:ミュシャ作品が楽しめる「堺 アルフォンス・ミュシャ館」はJR阪和線堺市駅直結で徒歩約3分です。現在「ミュシャと夢二 STYLE of BEAUTY」という特別展を開催中です。ぜひ皆さまお越しください。
藤岡さん:堺市の万博会場でのイベントは9月25日(木)に大阪ヘルスケアパビリオン前のリボーンステージで開催します。ぜひ皆さまお越しください!
おまり:今日は「堺 アルフォンス・ミュシャ館」学芸員の川口さんと堺市職員の藤岡さんに万博会場で開催する堺市のイベントや、堺市の魅力についてお話を伺いました。ありがとうございました!
川口さん&藤岡さん:ありがとうございました!
