東大寺コンサート 狂言&音楽 第二夜 ~日本から世界に向けて~
Special Concert in Todaiji "KYOGEN & MUSIC”
Day 2 - From Japan to the World -
「三番叟(さんばそう)」
能楽の儀礼曲「翁(おきな)」の中で、狂言方の勤める役が「三番叟」です。常の能とも狂言とも違う、古風な様式を多く留めた神聖な曲とされ、現在でも、正月の初会や舞台披き、特別な記念の催しなどで演じられます。
まず前段の「揉之段(もみのだん)」は、舞手自ら掛け声を発する力強い舞です。大鼓の勇壮かつ軽快な打ち出しとともに動き始め、場に「喜びありや」と陽気を与え、大地を踏みしめ、邪気を払い、畦道を作り、クライマックスの「烏跳び」という跳躍を頂点に躍動的に舞います。
その後、「黒式尉(こくしきじょう)」の面を着け、千歳(せんざい)との問答をはさんで後段の「鈴之段(すずのだん)...