各大学の未来に
繋がる取り組みを紹介する番組
「マクセル meets カレッジナレッジ」
FM大阪と、TOKYO FMの2局ネットでお送りしています。

今月は、奈良県奈良市にあります
“奈良女子大学” におじゃましています。

お話を伺うのは
奈良女子大学 大学院
生活工学共同専攻
博士後期課程 2年 榎本夕奈 さんです!

画像: 7/21(日)「マクセル meets カレッジナレッジ」

榎本さんは、どのような研究に取り組まれているんですか?

私は、“睡眠”についての研究に取り組んでいます。
人間に欠かせない睡眠は、人のさまざまな心身の機能・健康に関係していて、
睡眠不足は、肥満や高血圧などのリスクの上昇・感情コントロール機能の低下・免疫機能の低下など、さまざまな不利益を生じさせます。
睡眠不足による医療費などを加味した経済的損失は、
日本だけで年間およそ15兆円との試算もあるほどです。

寝不足で 15兆円ですか!?

ただ、睡眠不足によってさまざまな不利益が生じるということはわかっていますが、
日常生活の中では睡眠時間も長くなったり短くなったり、
寝る時刻も早くなったり遅くなったりしますよね。

そういった不規則な睡眠習慣が、
人の心身にどのくらい影響を与えているのかは、はっきりとはわかっていません。
私は、そんな日常生活における睡眠習慣の変動がもたらす影響について、調査、研究しています。

なるほど、どのように調査されているんですか?

現状、睡眠覚醒リズムに関する調査は、多く行われていますが、
答える人の申告に任せたアンケートベースのものが多かったり、
逆に日常生活とかけ離れた実験室での統制の強い中での実験が多いんです。
そこで、私は、客観的で、かつ日常生活の中での調査に重きを置いています。
まず、参加者のみなさんには、体動量計という
小さい万歩計のような装置を入浴時以外の常時、装着してもらいます。
これによって、日中の活動量や夜間のさまざまな睡眠変数を測定し分析します。
何時にふとんに入り、寝付くのにどのくらい時間がかかり、何時に眠りにつき、
どのくらい目覚めずによく眠っていて、何時にふとんから出たのか、
といったことが客観的にわかります。

より正確な意味合いでの睡眠時間がわかるということなんですね!

正確に、そして毎日連続してわかるということが、
不規則さを評価するためには不可欠です。
過去で言いますと、2019年から 2022年にかけての一定期間、学生の睡眠実態を計測しました。
2020年、21年は、コロナ禍で睡眠をとる時間が全体的に 45分程度後ろ倒れに。
コロナ禍の明け始めた 2022年には、2019年と同じような生活に戻った、
というのが全体の傾向でした。
ですが、これはあくまでも全体の平均値で、
全く生活リズムが変わらず一定の人がいたり、
おそらく身体的に極度の夜型の方で、コロナ禍のほうがリズムが整っている方がいたりもしました。

つまり、個人によって睡眠の変動は全く違う、ということになります。
今後は、これだけさまざまな睡眠・覚醒リズムを呈している人たちが、
日中の心身の状態はどのくらい違うのか、ということを研究していきたいと考えています。

この研究が進めば、“自分に合った睡眠”というのもわかる時が来るかもしれないですね!

番組の情報や収録の模様は、
カレナレ公式Xでアップされています!

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