
琵琶湖に浮かぶ周囲2キロの小さな島「竹生島」にある宝厳寺。
古くから「神様と仏様だけが住む島」として信仰され、平家物語や能の演目「竹生島」にも登場する、由緒ある聖地です。島内には宝厳寺と神仏習合の名残が色濃く残っていて、今も島全体がどこか神秘的な雰囲気に包まれています。
創建は奈良時代の724年。聖武天皇の夢枕に天照皇大神が現れて、「この島は弁才天の聖地であるから、寺院にお堂を建てなさい」というお告げがあったそうです。そのお告げを受けて僧・行基が弁才天を祀るお堂を建立、弁才天を安置したのが宝厳寺の始まりです。
翌年には観音堂の建立が計画されますが、行基の願いは叶わず、753年に、行基の遺志を継いだ「浅井値馬養」が、西国の札所本尊となる「千手観音菩薩」を建立し、弁財天と一緒に安置したと伝わっています。
西国札所のご本尊として祀られているのは「千手千眼観世音菩薩」。観音像は、高さおよそ1.8メートル。実はお厨子の扉より少し大きくて、先に観音像を安置してから、お厨子を造ったという面白い話も残っています。秘仏で、弁才天と同じく60年に一度の御開帳。次回の御開扉は2037年予定です。
ご本尊:千手千眼観世音のご真言「おん ばざら たらま きりく」
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