今回のテーマは「巨石」。
西国三十三所のなかには見事な石仏や
ダイナミックな石庭がある札所がありますが、
なかでもとにかく大きい巨石がある「長命寺」をご紹介しました。

長命寺は滋賀県近江八幡市にある第31番札所。
創建は619年(推古天皇27年)、開基は聖徳太子といわれています。

ご本尊は千手十一面聖観音世音菩薩。
千手観音立像、十一面観音立像、聖観音立像の三尊で一体となっています。
秘仏で33年に一度開帳。次の開帳は決まっていませんが、普段は千手観音のお前立を参拝できます。

本堂、三重塔、護摩堂、鐘楼はいずれも重要文化財。
伽藍のほとんどが瓦葺きではなく、貴重な檜皮葺きなのも見どころ。
三重塔、本堂、三仏堂、護法権現社が連続して、琵琶湖に向かってほぼ一列に整列、このような直前型の伽藍配置はめずらしいそうです。

ご利益は、お寺の名前の由来にもなった長寿。
創建は619年ですが、寺のはじまりは約1900年前。
『古事記』や『日本書紀』に登場する武内宿禰がここの柳の巨木に
「寿命長遠諸願成就」と刻んで祈願し、300歳以上も長生きし、六代の天皇に使えたといわれています。

その後、聖徳太子が諸国歴訪のとき、この山を訪れ、宿禰が祈願した柳でご本尊となる三尊を刻み、伽藍を建立。
宿禰による「寿命長遠」の文字から長命寺と名付けたと伝わっています。

そして巨石について。長命寺がある姨綺耶山(いきやさん)は、聖徳太子が長命寺をつくる前、
仏教が伝わる以前から、巨石の自然崇拝が行われていたとのこと。

本堂の裏手には巨石が重なる「六処権影向石」、鐘楼近くにある武内宿禰のご神体「修多羅岩」があり、境内にはパワーを感じる石がたくさん
琵琶湖、お堂、巨石がつくり出す美景は必見ですよ。
長命寺の拝観時間は朝8時から夕方5時まで。
拝観料は無料で境内は自由に参拝できます。

電車でのアクセスは、JR近江八幡駅から近江鉄道バス・長命寺行きまたは休暇村行きで
およそ25分、「長命寺」下車でおよそ徒歩20分。
車は名神高速道路竜王ICからおよそ30分です。

長命寺バス停から本堂までは808段の石段があります。
車なら山上駐車場から100段のぼれば着きますが、長寿を願いながら全段歩く人も多いそうですよ。

画像: 2019年5月26日放送分【長命寺編】

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