京都府と福井県の県境、“若狭富士”と呼ばれる「青葉山」の中腹に位置する「松尾寺」さん。青葉山は、古来より修験道の道場だったそうです。創建は708年。唐(中国)の僧侶・威光上人が青葉山に上り、松の木の下で馬頭観音を感得してその姿を刻み、草庵を結んだのが始まりとされています。その後、元明天皇が藤原武智麻呂に命じて本堂を建立。松尾寺と名付けられたそうです。
ご本尊は、西国三十三所で唯一の馬頭観世音菩薩です。10世紀の終わりに若狭の漁師が海難に遭い、馬頭観音の化身である流木に救われ、その流木で造ったという説もあるそう。「三面三目八臂」といって、3つのお顔と8本の腕を持ち、頭の上には馬の顔がのっています。諸悪を断ち切るために怒りの表情をたたえていて、馬が草をはむように、人々の煩悩を食い尽くしてくれるとされています。古くから農耕の守り神として、また畜産業や車馬交通、競馬などにちなんだ職業の人からも信仰されているそうです。
毎年春と秋に2カ月間ずつ、数々の寺宝が収められた宝物殿を公開されていましたが、新型コロナウイルスの影響により、今年も秋の公開は休止されています。
馬頭観世音菩薩のご真言:おん あみりとどはんばうん はった そわか
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