西国三十三所第9番札所となっているのは、奈良「興福寺」の本堂である「中金堂」の南西に位置する「南円堂」です。813年に藤原冬嗣が、父の内麻呂を弔うために建立したと伝わり、現在の南円堂は江戸時代に再建されたもの。日本最大級の木造の八角円堂で、国の重要文化財に指定されています。
南円堂のご本尊は、西国三十三所で唯一の「不空羂索観世音菩薩」で、年に一度、10月17日のみ大般若経転読会の法要が営まれ、本堂内陣が特別公開されています。1189年に運慶の父・康慶と弟子たちが、およそ15カ月かけて造立した高さ336cmの金色の像で、国宝に指定されています。内陣には、四天王立像や法相六祖坐像も安置されており、同じく康慶一門による制作で、いずれも国宝に指定されています。
本堂である「中金堂」の夜間特別参拝を11月30日(土)まで実施されています。
ご本尊の釈迦如来像をはじめ、薬王、薬上菩薩像(重文)、四天王像(国宝)などが拝観できます。
曜日によって時間が異なりますので、ご注意ください。