第 33番「谷汲山 華厳寺」をご紹介しました
創建は798年。つねづね十一面観世音の尊像を建立したいと思っていた奥州・会津(現在の福島県)出身の大口大領は、文殊堂に参篭して7日間の苦行の末、お告げにより霊木を手に入れることができ、京都の仏師に観音像を造ってもらいました。
完成した尊像を故郷へ持ち帰ろうとすると、観音像が自ら歩き出し、谷汲の地で重くなり、一歩も動かなくなってしまったそう。大領は、この地こそが結縁の地だろうと思い、この山中に住んでいた豊然上人に相談してお堂を建て、観音像を安置しました。
すると、お堂の近くの岩穴から油が湧き出したと言われています。谷から湧き出る油を灯明に用いたことから、醍醐天皇より「谷汲山」という山号と、...